「世界報道の自由度ランキング」の再浮上と権威っぽいものの再利用・悪用と

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報道の自由や言論の自由を守るために活動している国際的なNGO「国境なき記者団」が毎年発表している「世界報道自由度ランキング」の2015年版によれば、日本は180ヵ国中61位と、先進国の中では例外的に低い。国連の調査でさらなる状況の悪化が報告されれば、安倍政権にとって大きなマイナスイメージになるだけに調査を来年夏の参院選後にしたかったのでしょう。

......ということで、当方もすべてのニュースを巡回チェックしきっているわけではないので、このような指摘・進言はありがたいなあ、と謝意を述べた上で。「世界報道の自由度ランキング」ってのは今年の2月に発表された直後から色々と悪用されたことを受け、その中身を色々と掘り出したところ、なにこれ名前は超カッコよくて正義の味方っぽく見えるけど、その実態は内輪ネタ以上のものではないし、特に日本の指数を提出したのはアレでナニな自称ジャーナリストとか以下略的な人がめっさいるので、こんな感じになるのも仕方ないやん、それを物差しにして周囲に刀のごとく振り回すのってどうよ、的な感じでファイナルアンサーだったはずなんだけどね。

今件のようにそれっぽい、似たような話と絡め、さらにその内情を解説しておかないと、いかにも正しい、正当性のあるようなものに読めてしまうし、容易な誘導に乗せられてしまう。第一国連の問題のキャンセルにしてもしっかりとスケジュールの調整が出来ないって述べているし(臨時国会云々もそうだったし)、それに直前に国連関係者がやらかした重大事案「13%と日本の女性問題」には一切触れていない。その問題こそ、報道に関する極めて重大な事案の一つなんだけどね。「「数値は公開情報から見つけた概算」であり、緊急に対応すべき事象だという点を強調するために言及した」」、つまり「自分達が正しいと主張する物事のためならば、事実であるか否かは二の次である」などということをやらかしたわけで。

で、限られた文字数のなかで、一応

今件で呈されている「世界報道の自由度ランキング(World Press Freedom Index)」ですが、今年2月に発表の際にも指摘された通り、本来ジャーナリストを自称する人らの団体による自主的な内輪的投票結果で、対外的な指標としての意味はありません。自由度を順位付けするランキング自身が閉鎖的な状態の下で行われるのは皮肉でしょうか。


この指標の確からしさは、例えば1月に起きたテロに関して共感したら逮捕されたフランスや、産経新聞記者を拘束・起訴した韓国より、日本のランクが下という事実からも理解できます。

また日本の指標を決めた当事者、同団体でジャーナリストとして挙げられている人がどのような行動・姿勢を示しているかを確認すれば(個々の国の指標は該当国の団体やジャーナリスト等が評価します)、日本の指標の低さの理由が理解できるでしょう。値を定めるジャーナリストの質は問われていないのです。


と説明はしたけれど、どうにも文字数が足りない。以前「世界報道の自由度ランキング(World Press Freedom Index)」については、【「世界報道の自由度ランキング(World Press Freedom Index)」に関するあれこれ】【「世界報道の自由度ランキング(World Press Freedom Index)」の補足や色々と分かったこと】でまとめたけれど、閉鎖性を指摘するために用いた指標「世界報道の自由度ランキング」そのものが閉鎖的な状況下で決められているという、非常に皮肉なお話で終ってしまう。あるいは「ジャーナリストと自称する人の意見はすべて絶対で正しい」とする、権力の乱用なる構造で、同じ穴のムジナ、的な感じなんだよね。それってなんて悪質な既得権益? みたいな。

例えると、先日のユーなんちゃらによる「流行語大賞」の内部的に決めたノミネートラインアップを持ち出して、「今年はこれが流行ったんだ、絶対だ」として、あちこちに流用したり、来年以降それを裏付けの資料として、歴史的に正当なものとして語るようなもの。

今件はある意味、権威のありそうなものの発表は、それがたとえどのような不正確さ、不誠実さのもとで決められたものであっても、後になって確からしい、権威あるものとして悪用されるという、良い例として覚えおくべき内容ではある。「世界報道の自由度ランキング」との言葉を出されたら、その実情を調べる人は滅多におらず、世界的権威のある、非常に確かな指標と認識して文章を読み進めるだろうから、ね。

加えて。これは今さっき気が付いたんだけど、該当する記者の名前を検索したら......(

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このページは、不破雷蔵が2015年12月 4日 07:47に書いた記事です。

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