周辺環境が変わるのなら自らも変わらないと息もできない

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先行する【紙媒体の本の販売金額がピークの半分割れを起こしたという話】に連なるお話。紙媒体の本の売上が落ちているってのは覆しようもない事実ではあるけど、それは読書、さらには文章を読んでいくという行動性向に対して提供される選択肢が増えて、購読の選択肢を選ぶ人が減ったまでの話。飛行機や電車、自動車が普及しても「なぜ馬車や駕籠を使わないんだ」と憤慨するようなもの。それって違うよね、的な。

環境が変わってきているのなら、それに対応して進化しなければ生き残れない。そのままの体質を維持したい気持ちは分かるけど、それでは化石化してしまう。台風で水が増してきても意固地にその場に居続けるようなものだ。

騒いでいれば誰かが何とかしてくれるだろうって考えが許されるのは子供までのお話。周辺環境が変わってきて自分の立場が苦しくなってきたら、他人にその責や対応を押し付けるのは、気が楽だけど、他に選択肢があるのならお客は離れていくばかり。

総じて出版業界が、周辺環境が変わっているにもかかわらず、既存の体制を意固地に維持し続けようとしているので、段々とひずみが大きくなっていると考えれば、道理は通るのだよね、昨今の出版業界のあれこれは。

無論、手を打つところ、部門もあるけれど、変革によって生じる痛みを極力作家や顧客に押し付けている話が多々見受けられるってのが、頭が痛いところではある。

似たような話は1985年ぐらいの「文庫本シフト」、1990年代末の新古書店や漫画喫茶の台頭などで、何度か起きているのだよね、実は。今回は業界全体に影響することもあり、立場を変えねばならないところも多いので、しがみつく人も多いのだろうなあと思ったりもする。

紙媒体の勢いが落ちている、本を、文章を読むスタイルに変化が生じているってのは、終着駅で皆が下りた後に電車の棚を見れば分かる。新聞や雑誌が置かれていることって、滅多になくなったからねえ。駅ホームのゴミ箱に雑誌などがあふれている様子も無く(取られないように鍵はかかっていても)。

軽減税率適用云々で騒いでいる様子を見ても、どうも結局のところは、旧態依然の考え方をしている人達が多分にかじ取りをしているところに問題があるのではないかな、という気がする。そりゃ、何も考えずに従来の方法を維持した方が楽だからね。状況が悪化しても「時代が悪い」で言いわけがつくし。

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このページは、不破雷蔵が2018年12月26日 07:51に書いた記事です。

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