メディアの権威悪用は「表紙詐欺」や産地偽装と何ら変わりはない

| コメント(0)


先日、CNNで日本の秋葉原界隈に関する、以前【前世紀末の中高生の生活様式を探る...「13%」後日談】で挙げたのと似たような話があり。該当する話(

この構造って、以前【週刊ダイヤモンドの特集記事「ステマ症候群」に目を通して「ああ、これは」的な】などでも問題視している、ポータル転送を前提としたステマ記事と同じ。もっともダイヤモンドの記事で取り上げられたケースは、記事を書いた人そのものじゃなく、それが容易にできるシステムを作ってテンプレにし、その流れをビジネスにしたまでの話なのだけど。いかにも権威がありそうなものを利用して、権威のカサをかぶって、確からしいものにしてしまう。大学の権威を事実上お金で購入する「ディプロマ・ミル」と同じ。


信頼性のロンダリングも表現としては正しいだろう。権威や知名度と同義。週刊少年ジャンプの表紙を持つ雑誌を本屋で買ってみたら、中身は子供が描いたような同人誌のコピー本だった、的なものがある。よく同人誌周りで「表紙詐欺」的な話が出て来るけれど、構造的にはまったくそれと同じ。

あるいは......そうだな。パッケージだけ入れ替えた商品とか、産地偽装とか、賞味期限の書き換えとか。それらと変わらない。昨年のヤフーにおけるステマ記事撲滅の動きのように、それなり以上の知名度や肩書、権威を持ち、やもすれば悪用されかねない仕組みを持つところは、逐次積極的に、その可能性を排除し、確認できたものにペナルティを課し、されにくい仕組みを構築していく責務がある。それができなければ、すぐには目に見えないけれど、確実に自身の権威が、信頼が、損なわれていく。気が付いた時に業界不況・不振と全体の傾向に責を投げてももう遅い。

今件でCNNはその責務を果たしているだろうか。あるいは実情を知った上でなお、記事として採用したのだろうか。それともその精査すらできないほど、メディアとして、組織としての実力を落としてしまっているのだろうか。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2016年2月 4日 08:07に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「リトマス試験紙はその結果を有効に使わなければ逆にダメージが広がっていく」です。

次の記事は「ゴティバのチョコを頼んだらゴリラのチョコがやってきた。何を言ってるのか分からないと(以下略」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30