事実をそれぞれの人が別個に語ると、その事実を有する陰謀組織に見えてくる

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ちょいと前、震災4周年を迎えるにあたってムーブメントとなった、ニセ科学・エセ科学批判に対し、「エセ科学批判」批判なるものがあった。エセ科学を批判する向きがあるのは、何らかの陰謀による組織的なもので、自分達は被害者だ、という感じの論調。まぁ軸に違いはあるけれど、【想いの通りにならないと地べたにへばりついて駄々をこねる子供のような...「批判自粛が広がっている」とジャーナリストや知識人が会見】などでも言及している、一部報道勢や知識人による反発的行動のエネルギーにもなっている部分と共通する発想ではある。この類の陰謀論で一番のターゲットとされやすいのは、政府なり官公庁。叩いても叩き返される心配はまず無いし、それっぽいし、反発すると格好良く見えるし、切り貼りするとそんな陰謀があるようにも見えるから。

でも指摘の通り、結果論としてそうなってしまうものですら、何らかの指図・組織的なもので行動されたと思ってしまう。あるいはそう思った方が、心の安寧を得られるから、という精神的な回避行動の結果なのかもしれない。

ただこれがいかに馬鹿馬鹿しいかは「卵1パック100円、1人2つまで」というセールスをしたお店にお客が集まったのを見て、「あの店で卵を買うように組織が工作員を派遣した」と断じてしまうようなもの。オカリンじゃないっつーの。


まあ、陰謀論に走った方が気は楽だし、自分の側のグループを形成しやすい。明確な敵を設けた方が一致団結しやすいのは人の世の常。不特定多数による正論でのツッコミという状況に耐え切れないがための、仮想敵の設定ってのは、人間の心理としては十分考えられる。これが酷くなると、いわゆる被害妄想に陥るのだけどね。「世界はみんな自分のことなんて嫌いなんだ」みたいな。

いわゆる「ムラ」的な話も、突き詰めればこの様式に当てはまることになる。反発したい側から見れば、意思疎通をしあった集合体に見えるけれど、それは結果的にそのような方向性を持っただけの話。そりゃ確かに実際に談合していることもあるから、All or Nothingではないけどさ。

今件を「卵安売りの陰謀論」とでも名付けて、ムラムラ言ってきた時の反論にでも用いてみようかな......と思ったりもする。「論理的帰結によって共有される意見に過ぎないのだけどな」ってね。

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このページは、不破雷蔵が2015年3月29日 07:55に書いた記事です。

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