「インバウンド消滅」という言葉

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高島屋は13日、子会社が東京・新宿駅前のタカシマヤタイムズスクエアで運営してきた免税店「高島屋免税店SHILLA&ANA」の営業を、31日付で終了すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大で訪日外国人旅行者(インバウンド)の需要が消滅し、事業継続が難しいと判断した

ほんの2年ぐらい前までは一部業界の救世主のような扱いをされていた、インバウンド。訪日外国人旅行客による需要の増加のことを指すのだけど、結局は自分達ではほとんど手間をかけずに需要が増えるからラッキーという感じなんだよね。だったらそれと同じような需要が国内で生じるように手立てを打つのが正論ではあるはずなのに、空から食べ物が降って来たから働かなくてもいいや、とかまるで「待ちぼうけ」の寓話のような話。

もっともインバウンドも去年の夏だか秋口ぐらいから怪しい気配となってきていて、それが新型コロナウイルスで壊滅してしまった。何しろ国同士の一般旅行客の行き来がほぼゼロなのだから。人が来なければインバウンドも消滅するのは当然の話。

ただこれって、新型コロナウイルスが流行しはじめて来日観光客がほぼ皆無となった時点で判断する、想定しなきゃいけないレベルの話。新型コロナウイルスのワクチンや治療薬が開発されるなり情勢が改善されて往来ができるようになっても、流行前の状況に戻るのには数年はかかるだろうし、下手をするとかつてのような状況には回復しないかもしれない。そのぐらいは容易に想像できるはずだ。

それとも「すぐに流行は終わるし、終わったらすぐにインバウンドは全面回復する。ちょっと我慢すれば大丈夫」という程度の考えだったのだろうか。デパート全般の不調とその原因としての構造そのものの問題は前世紀から存在していて、けれど対応されていなかったことで業績不振による倒産やら合併が生じたのはここ10年ばかりの話ではあるのだけど。やはり色々な意味で、判断が鈍くなっているのだろうな。

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コメント(1)

3月に営業休止して10月に撤退と時間差があるのは賃貸契約を解除したい日の数ヶ月前に連絡しなければならない縛りがあったからではないでしょうか?
中韓からの入国制限が強化されWHOのパンデミック宣言があった3月以降に撤退を決めたお店はそろそろ消えていく時期なのだと思います。

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このページは、不破雷蔵が2020年10月14日 07:05に書いた記事です。

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