「安保破棄」報道とそれを利用する報道と

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先日のブルームバーグ上でのトランプ米大統領による「日米安保破棄しちゃおっかなー」的な発言があったとの報道。情報ソースが匿名者によるもので、しかもその報道ですら実際に動きをしたわけでもなく当局者もありそうはない云々ということでまとめられており、かつ原文ではそのような情勢になった時にどのようなことが起きるのか、考えねばならないのかという仮定状況検証の類が行われているのに(米国ではよく行われている)、その辺が全部吹き飛ばされて日本では伝えられているので主旨が別方向に飛んでしまっている。

ブルームバーグ報でも発信元は関係者とあるのみで明確なソースは無く、ネタ以上の話としては受け止める価値が無い情報だと思われます。本当に語られていたとしても正しい伝えられ方をされているかの確証が無いからです。さらに「大統領は条約破棄に向けて実際に措置を取ったわけではなく、政権当局者らもそのような動きは極めてありそうもないことだと話している」との部分もあります。他方、トランプ米大統領はNATO加盟国に対しGDPの2%(強)を防衛費に充ててほしいと要請しており、似たような圧力を日本にかけるためのブラフの思惑との可能性は否定できません。


なお今年1月に外務省がニールセンに委託して米国で行われた調査「海外対日世論調査」では、日米安保を維持すべきとの意見は一般人69%・有識者で95%に達しています。また日米安保が米国自身の安全保障にとって重要だとの意見は一般人89%・有識者94%となっています。


一応こんな感じでコメントはしておいたけど。ブラフ的なものの可能性もあるし、ネタ話としていくつか出てきたものの中でそのうち一つをさも重大討議内容のように報じた可能性もある。そもそも今件はブルームバーグだけが関係者からの情報として伝えられているという点に気を向ける必要があるわけだな、と。

実際にトランプ米大統領が前後して、中東の安全保障に関してツイートをしているので、意図的にこういう話をリークした上でのブラフの可能性がちょっと高いかな、という感はあるのだけど。

いずれにせよ、情報ソースが明らかにされていない報道は、それが本当に発せられたものであるかの確証が取れないだけでなく、発せられたとしても内容が正しく伝えられているかの検証ができないとの点でも、真面目には読むに値しないものなのだよね。先日の朝日新聞での「首相激怒」報道がよい例。タブロイド紙レベルの話ではあるし、イエロージャーナリズムまっしぐら。

情報ソースが、あるいは伝える報道が意図的に、正しいものではない情報を流す可能性も多々あるわけだ。ブラフとか情報戦の典型的な手法ではある。全体像が明確になっていないと、端々の情報だけで判断したり惑わされるってのは、愚の骨頂なんだな、と。

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このページは、不破雷蔵が2019年6月26日 07:50に書いた記事です。

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