「投票棄権者が投票すれば他の人が当選する」

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先日ツイッター上でちょいとバズった、選挙に関するイラスト。要は投票していない人が投票すると当選した人以外の候補にもりもりと票がいくので現状をひっくり返せるかも、若年層は投票しよう、搾取されるな的なアジテーションのお話。若年層の投票率を上げることで、被選挙人の方向性に影響を与えるのは事実ではあるけど、その一方で投票をしなかった人の投票しない理由は多様であり、実際に当選した・当選しそうな候補以外に投票する意思はあったんだけど自分が投票しても結果は変わらないから別にいいや的な考えで棄権をした人がどれだけいるか。

つまり、投票を棄権した人の多くが別候補に投票する意図を持っているという前提は、非常にムシのよい考えでしか無く、想定としてはネタレベルのものでしかない。投票しない人の意見を確認するわけにはいかないし(そもそも選挙にしても調査にしても、参加した人のみが存在するというのが前提だからね。意思表示をしていない人は結果に同意するという意味でもあるのだから)。

若年層の投票率が上がることで政策に携わる人=選挙で選ばれる人の意識が変わることは間違いありません。投票率が若年層ほど低いのは選挙に限った話では無く、公的機関による調査の反応(例えば内閣府の「国民生活に関する世論調査」の年齢階層別回答率)でも明らかになっています。この傾向は近年に至るにつれ、強くなっています。


他方、今件の2枚目のようなイラストは選挙のたびに見ますが、致命的な過ちを指摘しておきます。今件では無投票の人が現状で圧勝しているC氏以外の人へ多分に投票するとの前提となっていますが、その理由はどこにもありません。C氏が圧勝しているからこそ「自分が投票してもどうせ変わらない」とする人も少なからずいるでしょう。投票をしなかった人が当選者以外の候補を選択するはずだったとの想定は、あまりにもムシが良すぎます。


という解説のコメントをしたのだけど、よほどクリティカルな話だったようで、コメントに「一方的な意見で根拠(データ)を示さず 肩持ちならオーサーを外すべきだと考えます」とか出てきて、想定通り過ぎなパティーンだったりする。

今件のイラスト解説については、「政策の方向性」と「特定議員の当落」をごちゃまぜにしてるのが問題。若年層の投票率が上がれば政策の方向性が若年層へ傾注するようになるのは確かだけど、それは特定の議員・候補者に限った話では無いのだよね。そしてイラストで説明されている当選しているC議員が悪で、それ以外の候補者が善という前提もおかしなお話。選挙時によく出てくるネタ話「ムサシで投票結果操作」と同レベルのおかしさなのだよね。

党派性云々で投票率は変わらないという実証を一つ。2009年夏の総選挙、2012年冬の総選挙。他の総選挙と比べて投票率はどれほど変わったかな。気象状況など他の要因を除いて。大した変わりは無いよね。

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このページは、不破雷蔵が2019年6月26日 07:31に書いた記事です。

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