全文が出た後も切り貼り報道で印象操作を続ける報道の実情

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26日の記者会見のやり取りにかかわる朝日新聞や時事通信の報道内容は偏向的なものであるとの指摘が多々あったし、全文の書き起こしのたたき台も展開されていたので、動画を再生してチェックし直した上で、先の記事で指摘している推論二階建ての詭弁法とも併せて解説しようかなと思っていたら、先を越されたので覚え書きとして。大体語ろうとしたことは語られていたので、まぁこういうこともあるよねえ、というため息も混じりながら。

最後の一段落にある「読者に判断材料を提供する際に、誤解を誘発させる書き方をするのは報道として間違っているのではないでしょうか?」ってのがすべてかな。というか、報道では無いだろ、それという感じですらある。報道が報道の役割を果たさずに、国家リソースを無駄使いするわ、世の中を混乱させるわという状況は、どのように解釈をすればいいのかなあ、と。

今件は本日付でヤフーニュース・個人内において篠原修司先生によるやりとりの書き起こし込みの解説記事 「あなたに答える必要はありません」東京新聞記者は何を質問したのか? 全文書き起こし news.yahoo.co.jp/byline/shinoharashuji/20190227-00116315/ が掲載されました。そこでは具体的なやり取りの主旨が明らかにされ、主旨と違えて解釈されるような報を行った時事通信や朝日新聞に、報道の立場としての疑問を呈しています。


今回、時事通信はさらにこのような記事を展開したことに関し、読み手はどのような解釈ができるのでしょうか。

報道には事実を分かりやすく、そして正しく伝える責務があります。それが果たされているかを、改めて問う必要があるのでしょう。一次ソースを検証しないと「事実」が確認できない状況で、果たして報道の存在意義はどれほどあるのでしょうか。


で、全文書き起こしが出て偏向報道が明らかになったにもかかわらず、その偏向を前提として時事通信が追い打ちの記事を展開するという、現在の報道の問題を暴露するような記事が出たりする。さすがにこちらはツッコミのコメントを入れる必要があるので入れておいた......というか、本来は全文を提示するだけでことが足りてしまう話なのだけどね。そこまで報道なるものが劣化している実情。


報道ってのはそもそも論というか前提として、分かりやすく正しく内容を伝えることを責務とし、かつ不特定多数に伝える伝達能力を持つ特異な存在であるからこそ重宝がられ、その社会的責務を果たす期待をされているからこそ、様々な特権が認められている。それらについて後者はすでにインターネットの普及で曖昧なものとなっているし、前者は「一次ソースを全部検証しないと正しく伝えているかどうか分からない」という状態になっているのでは、どれほどの存在意義があるのか、仕事サボってるんじゃないのかな、という感想しか出てこない。無駄飯食らい。

一次ソース、全文の提示にしても、指摘の通り解釈の差異が生じることはあるけど、それは前後関係、さらには語られた環境を基に判断するしかない。これはもう、日常生活における物事の判断と同じレベルの話で、常識が使えるかどうかの問題。卵かけご飯を食べようよといわれて、ダチョウの卵を持ってくる人はいないよね、という感じ。

そもそも一次ソースが無ければ信頼できないという現状が、報道にとってどれほど危うい状況なのか、どれほど理解されているのだろうか。

「全文書き起こし」の件は、取材を受けた側の直接の情報発信と、発信された情報を報道以外が取得して精査できる環境で初めて可能となったことに違いなく。仮にこのような条件が無ければ、多くの人が報道の情報をそのまま鵜呑みにしたまでの話。そしてその環境が無かったこれまでにおいては、同様の事柄が日常茶飯事的に行われ、そして容易に誘導させられていたのだろうなあ、ということは容易に想像ができるのだな。

とても怖い話ではあるし、むしろそれが日常的だったからこそ、それが暴露されるケースが増えてきた昨今においても、騙している報道側はこれまで通りの偏向を繰り返し、指摘されても「当たり前のことをしているまで」との態度を貫いているのだろうな、と。

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このページは、不破雷蔵が2019年2月28日 07:46に書いた記事です。

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