昔の記事や情報を、さも今の話であるかのように語る罪深さ

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これはブログやウェブサイトでも当てはまることだけど、書き込める文章量が制限されているソーシャルメディアでは特に重要な、誠意の上では不可欠なお話。さらに表示される・受け手の取得情報量が制限されることが多い、スマートフォンの利用者が多い昨今では、これまで以上に注意が必要となる。

例えば猫はかわいいとかカレーライスは美味しいという、時系列的なものが必要とされない事案ならあまり問題は無いのだけど、●×社が倒産したとか何とかというアイテムの生産が終了したというように、その情報の発信時間が特に問題となる場合、いつの話なのかはソーシャルメディア発信時に極力表記しておく必要がある。基本的にソーシャルメディアで伝えられる情報は「最新」「今現在明らかになった」というのが前提なので、数年前、下手をすると数十年前の話を年月無しで語られても「今さっき生じたのか?」と錯覚されかねない。

一番分かりやすい例は災害情報かな。「先ほど●×地域で大規模な地震が発生」というツイートが流れてきたら驚くけど、それが何年も前の話だったらふざけるな、ということになる。先日ツイッターの機能で改善された、時系列並びだけでなく「重要だと管理側が思った内容がランダムで表示される」ってのは、そういう悪弊が生じうるので問題だったのだな(一日前の地震速報が流れてきて、ビクっとしたことが何度あったことか)。

一方で、時系列を無視したサプライズ的なニュースをソーシャルメディア上で流すことで、サプライズ部分のパワーを悪用してリツイートを稼いだり、リンク先の記事のページビューをゲットすることもできる。先日生じた事案のような新鮮味で、数年前の記事をリサイクル的に用いることが可能になる。

でもそれって、倫理観には反していることだ。

例えば「一年前の記事」とか「今週アクセストップテンで昔の記事として云々」という形で、ソーシャルメディア上でも「今現在の、最新の話じゃなくて数年前の、具体的には●年前の」ということが分かる上での告知ならば問題無い。けど、それを隠してしまうのはどうなんだろう。SEO的には、マーケティング的にはプラスだろうと判断したのかもしれないけど、中長期的な信頼性の観点ではよろしくはない。「気が付かなかった」とはいえない。意図的にやらないとできないことなのだから。

ソーシャルメディアでの告知は、時間そのものも価値として見定められている。昔の話を今のように語るのは、それこそフェイクと何ら変わりは無いのではないかな。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2018年10月14日 07:22に書いた記事です。

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