「AI」よりも「無思考型機能」

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ここ最近、利用者が"何も考えなくていい"という「無思考型」のサービスが注目を集めている。即時買い取りサービス「CASH」の光本勇介氏は2018年の重要なキーワードの一つとして「無思考型」を掲げる。


例えば、毎日の献立を決めてくれる「me:new(ミーニュー)」や洋服を定期的に届けてくれるZOZOの「おまかせ定期便」など、個人の好みに合わせてレコメンドしてくれるサービスは、その典型例だ。


色々な仕組みで利用者の選択や行動を手助けしてくれる、それが技術を利用する理由ではあるし、発達が後押しされるモチベーションでもある。その技術がある程度の領域に達すると可能になるのが、指摘されている「無思考型」サービス。要はほとんど選択をしなくてもぼちぼちボタンを押すだけで自分のやりたいことができてしまう。

その観点では指摘されている通り、下手にインテリジェンスな雰囲気を前面に押し出した「AI」という表現よりは「無思考型機能」とした方が分かりやすい。利用者は極力考えなくても目的を達する、堪能することができる。


そして指摘されている通り、アマゾンの例のダッシュボタンは「無思考型機能」の一つの完成形。この機能を満たす商品が欲しいと思ったら、事前に準備をしておくことで、指先一つで願いが叶ってしまう。サービス提供側は需要を確実に確保できるし、リピーターを具体的に囲い込むことができる。その観点では「ダッシュボタン」は「奪取ボタン」と呼んでも良い。

「無思考型機能」ってのは技術的な、業界観点からの解説の上では非常によく分かる言い回しなんだけど、一般にはあまりなじまないかもしれない。ならば「おまかせ」とか「コンシェルジェ」とか「万能秘書」あたりでもよいかもしれない。料理店に入った時に選ぶのが面倒くさいからシェフのおまかせにしちゃうとか、店側の「今日の定食」にするってこと、あるよね。今件はまさにそれなんだな。あるいは旅行のパックツアーみたいなものだと考えると、非常にしっくりくるものではある。

選択肢が多いのは選ぶ楽しさとかカスタマイズ感が得られるメリットがあるけど、それを苦痛と感じることもある。その時には全部放り投げられるってルートもあるとありがたいのだな。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2018年6月29日 07:07に書いた記事です。

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