日本の若者の死因のトップが自殺という話

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自殺者の総数が減り続ける中、自殺する若者がなかなか減らない。若年層の死因のトップが自殺なのは、主要先進国で日本だけだ。若者の自殺を防ごうと、様々な団体が取り組みを進め、政府も対策強化に乗り出した。3月の自殺対策強化月間を前に、現状と課題を探った。

人口動態などの各種統計でも、日本の若年層における死因のトップが自殺であるということは明らかにされている。ただこれって声高にその理由と共に語られているけど、以前から首を傾げる話でもある。数理的な解説の類があまり出てこない。一部のみを切り取った、そんな雰囲気。

他の死因はどうなんだろう、それらが他国と同じぐらいで自殺がずば抜けて多いのなら、確かにそれは問題だろう。だが一方で、死因が自殺によるものの値が他国とさほど変わりは無く、他の死因が少ないのなら、相対的に自殺がトップに来るのは致し方なしということになる(それらの死因を肯定しろ、という意味では無く、騒ぎ方が扇動的だよねということ)。

文化的に日本をはじめとしたアジアでは集団の中の一構成員としての自分の存在に価値を見出す傾向が強く、個人主義というよりは集団の構成主義的な感が強い。ネジ的存在を是とするようなもの。また、人が持ちうる攻撃的なエネルギーを外に向けるのではなく、内に向けてしまう傾向も日本では強い(これについては理由が分からず。何か社会文化的な原因があるのだろうか。それとも「全体の一員」としての認識が強いので、全体としての他人を壊すような衝動は本質的に否定しがちなのだろうか)。


で、この類のお話は「今後精査して新規に記事として書き上げたい案件」リストに入っているのだけど、なかなかまとまった時間が取れない。ネット上のデータをあれこれするのって、現場で云々する人から見れば簡単でちゃっちゃっとできるように見えるけど、それこそ砂場で特定の砂粒を探すような思いで掘り込みをしなきゃならないし、検証もしなきゃけいない。空振り三振ってのも日常茶飯事。大航海時代の冒険船みたいな話なので、まとまった時間と色々な余裕が必要となる。

その時の覚え書きも併せ、ちょいと調べてみたのがこんな感じ。先進国でトップとあるけど、韓国やロシアはどうなんだろう、フランスもほとんど同じだよね、的な感はある。また、日本国内に限って動向を見ても、若年層よりはむしろ中堅層の方が高くないかな、これという感は強い。20歳未満にいたっては低空飛行なので、これ以上下がるのは難しいレベルに達している。他の死因による死亡事案が少ないので、相対的に自殺が上がってしまうという仮説は、あながち的外れでも無い気がする。無論、対策を怠るな、ないがしろにするな、という話では無いのだけど。


似たような話はがんにまつわる事例でもあったりする。他の病理による死亡例が減っている、がんの治療法はなかなか見いだせないでいる、結果としてがんによる死亡率は増加してしまうというもの。要は高齢化に伴うものでしかない。似たような病理による死亡として、高齢者によるものが多い心疾患や肺炎が増えている、さらにそのものずばりな老衰も増えているってのが証拠の一つではある。

まぁ、この辺りもおいおい片付けていきたいものだけどねえ......。

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このページは、不破雷蔵が2018年2月28日 07:50に書いた記事です。

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