フリーの仕事受注と特急料金と

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平気で仕様を変えたりただ働きを強要するような話も多々見受けられる、創作業界に多い自由業や自営業、要はフリーの人のお仕事周りのお話。まぁ、仕事の受注に絡む駆け引きはフリーに限らず、企業間でも似たようなものだけど。

このお話は駆け引きという観点で非常に巧みだったりする。発注側が無茶な要請をすればするほど、コストが割高になるような仕組みとなっている。見方を変えれば、スケジュールに余裕があるような発注をすることで、インセンティブを得られるわけだ(得をするんじゃなくて損をしないってことだけどね)。


タイトなスケジュール云々ではなく、元々の仕事の内容とか相手の評判とか気質的に避けたい場合、思いっきり吹っ掛けるというのも一つの手。「レベルE」でも暗殺業な正体の先生も似たようなこといってたよね、子供が対象だと依頼主が払い切れないような額を請求するとか。これも一つの駆け引き。それでも支払うという場合、その駆け引きに負けたことになるから、仕事は受ける。プロだからね。「やりたくない仕事は断るな、相手に断らせろ」というのは至言である。


で、高額請求をしていると仕事が来なくなるという不安はケースバイケース。仕事の内容が同じだったら、発注する側の立場で考えれば「じゃあ別の人に発注するわ」で終わってしまう。要は100均ショップで買えるようなモノで良いなら別に一点ものにする必要は無いってこと。この人にしか頼めない、この人のでないと要望通りにならないという仕事を紡ぐからこそ、駆け引きも有効なものとなる。

市場経済のシンプルな例を思い返せば容易に理解できる。お店にお饅頭が1つかなくて2人が取り合うことになったら、高い金を出した方にお店は売ることになる。二つに割って云々というネタ話は無しで。ただ、同じようなお饅頭を近所の他の店でも売っていたら、高値でのセリになれば別の店に買いに行ってしまうよ、というだけ。でもその1つしかないお饅頭が滋養強壮の効果があり寿命も延びるとかいった、他のお饅頭には無い効果があれば、いくらでも高値がつくよ、というもの。まぁ、ブラックジャックに執刀を頼むようなものだ。


今件の話には色々と派生ネタがあって。オプションをモリモリつけて見積もりを出す事で、同じような属性の人たちをまとめ上げることができる。というかそこまで考えなくても、自分の望む条件で選別できると見ればよい。

他方、無茶な事を言ってくる発注側はやり取りをした後に値切りをしてくるという、常識知らずのことをするケースもある。いや、そんなことは無いだろうというツッコミもあるだろうけど、元々無茶な事を平気でするような属性なのだから、そういう斜め上的なことも当たり前のようにしてくるのだな。


もちろんお金はとても大切な要素ではあるけど、それだけに捕らわれると痛い目にあうってのも間違いない。ただこれを逆手に取り、「ギャラは安いけど君にとっては絶対タメになるから」という言い訳をしてくる発注側もあるので、これはこれで要注意。そういう説明で低価格を提示したところは、ほぼ100%タメにならない。将来役立つ、次は高く、名前が売れる、リンクを張る、色々とパターンはあるけど、そういうことがあるのなら、まずは相応の価格を提示した上で、上乗せ的な、アドバンテージとして呈するべきだ。

まぁ、旧軍の「精神力があればすべてを打破できる」ってのと同じ。精神力云々は相手と同等の環境整備をした上でのお話なのだな、と。

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このページは、不破雷蔵が2017年11月24日 07:35に書いた記事です。

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