「求人の給与水準を上げると現役社員の給与も上げなきゃいけないから上げたくない」というけれど

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昨日のやりとりを見ていてふと思った事。景気ウォッチャー調査のコメントなどを見ても、求人の給与水準を上げないと人手は集まらないけれど、求人の水準を上げると現役社員の水準も一緒に上げなきゃならない。そうでないと不平等になる、というか現役社員から文句が来る。同じ職場で新入社員の方が勤務数年の社員より給与が高いとなると、現役社員としては面白くないだろう。

ただそれって見方を変えると、現役社員がそのままその場に留まる必要性が薄れているということにもなる。新入社員ですらこの給与なのだから、自分のような経験の持ち主なら、もっと良い給与を出してくれるところがあるはずだ、と。会社側としてはそのようなリスクを鑑み、引き留め策としての現役社員の待遇改善も果たさなきゃならなくなる。


会社の負担は大きく上がるだろうけど、これが市場原理に他ならない。無論、実際に現役社員すべてが転職する必要は無い。いざ転職となれば色々と大変だしコストもかかるからだ。会社側に「転職してしまうかもしれない」との懸念をいだいてもらい、待遇改善が必要不可欠だと認識してもらうだけで十分。そういう選択肢が取れ得る状況にあること自体、現役社員にとっても非常に大きな武器となる。

求人の条件を上げれば、現役社員の条件も上げなきゃならなくなる。会社側としては利益の拡大をするか経費削減をして増える人件費に対応しなきゃならなくなる。経費削減策として人件費を削るのは本末転倒だから、結局は商品価格の引き上げなどで売上を増す必要が生じる(商品・サービスの質を落としてもよいけど、競争力が低下して会社が立ち行かなくなる)。結果としてデフレから逃れる方向に経済が進んでいくという次第。

無論こんなスマートに世の中が進むわけではないのだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2017年11月14日 07:08に書いた記事です。

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