筆者に自著宣伝を依頼する出版社と、印税率と

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出版社側が忙しいから、リソースが無いからということで、著者に自著の宣伝、広報展開を放り投げる現象。以前にも何度か言及したけれど、出版社側でもこれまで通りに色々と手を尽くして、その上で著者にもやってほしいってのなら話は別として、出版社側がやるべき領域までも著者に投げているようなケースが多々見受けられるのが現状。書店での特典とかは以前から結構あったけど、そのボリュームも増えてきた感はあるし、なんだか同人誌即売会との領域区分があいまいになってきた気がする。

広報宣伝活動を著者側に投げても、まだ出版社の意義はある。校正やら企画構成やら物流やらは個人ベースではノウハウもないし、ちょっと以上の手間がかかる。ただ、本来出版社側のワークの部分が著者側にシフトしたのなら、その分、印税率は上げてもらうのが筋ってものではないだろうか。

「同人誌即売会との領域区分」という表現を用いたけど、色々と割り切ったりノウハウを相応に持っているのなら、何も出版社任せが唯一の出版ルートではないのかな、という気もする。


マージン部分もすべて手元に残るのだから、他のネットビジネス同様に損益分岐点を超えるまでは非常に大変だし確率論的には結構難しいのだけど、それを超えれば一気に儲けは爆発する。少なくとも、そういうことができる選択肢は用意されている。

本来なら、こういう手段が存在して、その方面にコンテンツがシフトしてしまう可能性が生じているのなら、出版社はむしろ作者を、コンテンツを引き留めるために負荷を減らしたり、対価を底上げする必要がある。しかし現状は負荷を増やし、対価を削っている。まぁ、自然淘汰の流れができつつあるのかなあ、と。

作者を、コンテンツを大事にするという、当たり前の姿勢を貫けるところが生き残れるのだろう。ただ現実的には大手がこれまで稼いできた資産を用いて、中途半端な冷遇をしているところを吸収し、寡占化が進みそうな気もするけどね。

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このページは、不破雷蔵が2017年11月 7日 07:18に書いた記事です。

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