「政治家が高齢者しか見ない」でなくて「政治家が高齢者しか見えない」のが現状

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先日言及したように、自意識高いインテリゲンチュアな方々が若年層に向けて「選挙行くの止めようぜ」「選挙には白紙投票しようぜ」という啓蒙をしているのに関連する形で。

ただでさえ人口構成比の上で若年層が少なめな上に、投票率もまた若年層の方が低いのだから、政治家が高齢者重視の施策を打ち出すのも当然のお話ではある。で、若年層の投票率を上げようという動きがある一方、若年層の投票性向が結構一部の政党寄りだったので、それを是としない方々が反投票運動的なことを以下略。

結局のところ、若年層がもっと投票行動に積極的になれば、今の日本の社会が抱えている問題の少なからずは解決の方向に動き出すんだけどね。若年層に向いた施策も積極的に考えなくてはならなくなるから。

で、一つ誤解......というか誤解釈があるので、それを指摘。「政治家が高齢層しか見ない現状」というよりは「政治家が高齢層しか見えない現状」というのが正しい。投票行動をしない人は、統計の数字になって現れない。投票をしないってのは白紙委任だから、何をしても構わないよという意思表示につながるからね。

そういう票は具体化された意志ではないから、見えないのと同じになる。つまり、若年層の投票率が低く実投票数が少ないのは、若者層そのものが見えないのと同じ。政治家は投票権を有効に行使する人しか見えない眼鏡をかけているようなものだから。

例えば今回の選挙で選挙人名簿及び在外選挙人名簿の登録人数は1億0627万4192人と発表されている。前回の衆議院議員選挙の投票率は52.66%だったので仮に今回の選挙も同率だとすれば、投票しなかった人は約5031万人になるだろうという推論ができる。この分の票は「選挙結果に白紙委任、無条件で従う」との意味なんだな。どこかの党のみに投票するとの解釈はアウト。選挙の結果に文句を言わない、いわば賛成する人が5031万人いるのと同じ。

何には「白紙投票すれば投票率が上がるから、投票意欲があると認識されるのでそれでもいいだろう」という意見もある。確かにそのような解釈も一理はある。けれど、意思決定をすべきところで具体的な意思を示さなかったのは、何の意志も示さなかったのと変わらない。投票者本人が「次は具体的に誰かを支持して投票するよ」と主張しても、それは白紙には現れないから、まさに「お前が思うのならそうなんだろう、お前の中ではな」以上のものにはならないのだよね。

良く解釈されてもせいぜい「明確な意思決定ができない投票者がいる、でも実投票にはつながらないよね」程度なんだな。

統計調査でも無回答者の回答は集計してデータの精査のしようがない。傾向を見出すこともできない。あまりにも無回答が多い場合は答えたくない人が多いのだなという推論はできるけど、そこでオシマイ。ましてや選挙では無投票は「なんでもいいよ」。シェフのお任せと同じなのだよね。

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このページは、不破雷蔵が2017年10月19日 07:27に書いた記事です。

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