「給付型奨学金 申請伸び悩み」という話

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2017年度から始まった低所得世帯の大学生らを対象とする返済不要の「給付型奨学金」について、今年度の進学者の申し込みが5月の締め切り時点で1578件にとどまり、当初の想定を1000件以上も下回っている。


推薦数が伸び悩んでいるのは、児童養護施設出身であれば国公立でも対象になることを知らなかったり、給付型の条件に該当するのに貸与型を申し込んだりしている学生もいるためとみられる。


日本学生支援機構では大きく「低金利での貸し出し型」「返済不要な給付型」の二種類の奨学金の展開をしている。事業として運用していく以上、手持ちの資産を削り取る形での展開は慈善事業ではないから無理であるのだけど、それでもなお後者の「給付型」の対象者を増やす方向にかじ取りをしているのが現状。貸与型は金額も要件数も減っている。

で、その給付型の方だけど、情報公知が十分でないようで、申込件数が想定を下回っているとの話。不思議なのはちょいと前にあれだけ日本学生支援機構バッシングをした界隈が、給付型の奨学金の増強は諸手を挙げて賛同して同じように騒いで公知してもおかしくないのに、ほとんど言及しておらず、静かになっちゃってるんだよね。要はかわいそうだからとか教育の機会を云々ってのは大義名分で、叩ければ、騒げればなんでもよかったんかい......と疑われても仕方がない。

株式会社ローソン(本社:東京都品川区)は、ひとり親(母子等)家庭で就学が困難な生徒さんの夢を応援する「ひとり親家庭支援奨学金制度」を設立し、7月1日(土)より店頭募金の「"マチの幸せ"募金」で受付を開始します。この奨学金制度は返還不要で最長4年間、一人につき月額30,000円が支給される予定です。

で、ちょうどよいタイミングにこのような話も出てきたりする。また【奨学金事業の推移をグラフ化してみる】でも触れているけど、国公立大学では全大学で授業料免除制度を整備しており、経済的理由などにより、授業料の納付が困難である者などを対象に、修学継続を可能にし、教育を受ける機会を確保しているんだよね。

制度が分からない、足りないと騒ぐ前に、有益な情報を探し出し、その情報を広く知らしめることこそが、今の社会運動的な界隈には必要とされているのではないかな、と。

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このページは、不破雷蔵が2017年6月29日 07:08に書いた記事です。

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