池上彰氏の「格差はなぜ世界からなくならないのか」で使われたグラフに見る「なぜ印象操作はなくならないのか」

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12月16日にフジテレビ系列で放送されたという「金曜プレミアム・池上彰緊急スペシャル 格差はなぜ世界からなくならないのか▽貧しい人がますます貧しく...深刻データ語る日本の格差」という番組で使われた、日米の所得に絡んだグラフ。そのものの画像や映像は権利関係があるので(引用の領域をこえるとの判断が成される可能性はある)直接の提示は止めておくけれど、どうも印象操作的なグラフの使われ方がされたとの指摘が多数挙がっている。

それを「プレゼンの手法だから別に悪くない」と擁護する声もあるけど、不特定多数に向けた解説番組で使うのは、良識、常識を超えた問題がある。第一、日米のグラフに関して色々と見せ方を変えて、米国はさほど変化は無い云々とするのは明らかに「格差」の話とは違うところがある。


で、その画像に小さく書かれていたデータ抽出元を見つけ出し、そこから直接値を取得して、同じような、ただし正しく比較できるようにグラフを作り直して色々と考えたのが上の結果。番組で使われていたグラフとはダイナミック印象が違うし、そもそも番組で語られていたような「日本はヤバイ、米国より格差が云々」ってのが成り立たない。

両国とも直近年の自国通貨の価値で換算してあるので、消費者物価指数やらインフレなどは考慮しなくてよい。これを見る限り、指摘もしているけど「格差が拡大しているのはむしろ米国。日本は一部で言われているように、格差は小さなもの」「日本はバブル崩壊、デフレ突入時期から格差の拡大が生じている」「日本では中堅・低所得層の所得は減退中」などが分かる。

ただ最後の「日本では中堅・低所得層の所得は減退中」に関しては、日本の高齢化社会の深刻化も考慮に入れる必要がある。人口構成比で定年退職後の高齢層が増えてくると、生活費は「年金」「嘱託などの低賃金労働対価」そして「貯蓄の切り崩し」で賄うことになる。この場合、所得となるのは前者二つなので、当然低所得となり、平均値を押し下げることになる。正規・非正規率における賃金格差もあるけど、これは米国でも実のところはさほど違いは無い。

この辺りを元資料のページでもう少し調べておく必要があるかな......という気はする。

なお、記事題名にある「なぜ印象操作はなくならないのか」は、もうお分かりの通り、主題というか最初に「こうしたい」「このような表現をしたい」「これを訴えたい」という確信的利益があり、そのためにはあらゆる手段は正当化されるってのがあるからなんだろうね。それが間違ったものであったとしても、解釈としては首を傾げるようなものであったとしても。分かりやすいは正しいとは言えない。何度繰り返されてきたことか。

まさにそれはプレゼン的手法に違いないのだけど、それを公共の電波を用いて行ってよいのか否かといえば、否と断じざるを得ない。

            

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このページは、不破雷蔵が2016年12月18日 08:00に書いた記事です。

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