スマホとテキスト化と圧縮技術で認知症簡易検査をとの話

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まさに発想の転換的な切り口で、その理屈が分かった時に思わず声が出た話。認知症の症状の一つとして語彙力が低下していくというものがある。そこで、特定検体の会話を定期的に取得し、その会話をテキスト化。テキストを圧縮アルゴリズムで圧縮した際の、圧縮率の高さで、認知症進行リスクを推し量るというもの。

圧縮アルゴリズムは多種多様なものがあるけど、基本的には同じものをまとめてしまうもの。1が10回連続していたら、「1111111111」ではなく「1を10回」と認識させることで、必要な情報量を減らすことができる。つまり、同じものが多ければ多いほど、小さく圧縮できる次第。1円玉が1000枚あった場合、1円玉・1円玉・1円玉......とするより、1円玉1000枚とした方が文字量は少なくて済む、そんな感じ。

そして認知症の進行の傾向の一つとして挙げられるのが、語彙力の低下。物忘れが激しくなるのと似ているのかな。なので、普段の会話においても、用いられる言葉が単純化してくる。あくまでも傾向であり、また因果関係があるわけではないけれど、シグナルの一つとしては十分に役に立つ。

今件が特に優れているのは、言語形態に依存しない事。語彙力の低下はどの言語圏でも生じうるので、当然圧縮度合いが高まるのも言語圏に関わらずの話となる。さらに優秀なアプリ(音声のテキスト落としの正確性も合わせ)を用意できれば、スマホなどでも容易にチェックができる。それこそ、歩数計のような使い方で。

発表後にさまざまな検証などがなされるだろうけど、非常に興味深い話ではある。

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このページは、不破雷蔵が2016年11月12日 07:57に書いた記事です。

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