正社員が不足しているという帝国データバンクの調査結果

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帝国データバンクは倒産情報や企業の詳細情報だけじゃなく、時節に合わせた分析レポートを定期的に公開している。これが各種データ、調査結果を用いたもので、結構役立つものが多いのだけど、継続調査の類はほとんど無いので、何となく使いにくかったりする。単発のきれいな打ち上げ花火を打ち上げているような感じ。

で、今回の話は、企業における人員不足の調査結果として、正社員が不足しているよというもの。指摘の通り、ちょっと冷静になって考えてみると、何だかおかしな話ではある。例えば数年前までは例示されている放送業界においては、合理化とコストダウンのために、積極的に非正規化を推し進めていたはずなんだけど。ダイヤモンドだか東洋経済にその類の特集もあった。


で、一次ソースはこちら。帝国データバンクの調査レポートって永続掲載じゃないので、気になる人はPDFファイルを保存しておいた方が良いかも。内容を確認したけれど、やはり従業員不足か否かのみを尋ねているのであって、募集・雇用の際の対価とか待遇に関する話は載っていない。似たような人手不足の話を見聞きすると、少なからずにおいて明らかに、あるいは暗に「コストはかけられないけど人手が欲しい」「予算が降りてこないけどマンパワーが足りなくて」という、首を傾げる状況が見受けられる。「お金かけないと人は集まらないよ」と冷静な判断でツッコミすると、大よそふてくされるか逆切れされる。それじゃあ状況の解決はしない。働きたくないけどご飯はたらふく食べたい、そんな感じ。

元々人材そのものが枯渇している、不足している方面もあるかもしれないけれど、そうであったとしてもやはりより大きなリソースを投入することによる、求人は必要。「この業界ならこれだけ出してもらえるのか」という周知がなされれば、その方面に足を向け、経験を積む・技術を取得して、求職しようと考える人も出て来るからね。


穴埋めに感情論やら精神論を代替としていた界隈は、それがまだ通用するような物理的余裕があるうちは良かったけれど、すでにそのような場合では無い。にも関わらず、相変わらずそれが通用すると思っている人たちがかじ取りをしているとなれば、事態の解決がなされるはずもない。

経団連など、経済界隈の上層部で時折......というか結構な頻度で首を傾げる提言が出てきたり、それをさも当たり前のようにドヤ顔で主張する機会を見かけるようになったのも、要は旧時代の亡霊に足を捕らわれてしまっているのだろうな。例の「オリンピックのセキュリティ対策は数万人のボランティアで」と語った事例が非常に良いケースではある。

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このページは、不破雷蔵が2016年8月28日 06:44に書いた記事です。

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