日版の取扱の限りでは雑誌の売れ行きが書籍を下回ったとの話、そして返本率の確認

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出版物の大手取り次ぎ会社の日販=日本出版販売は1日、昨年度の決算を発表し、雑誌の売り上げがおよそ32年ぶりに書籍を下回ったことが分かりました。


日販によりますと、雑誌の売り上げが書籍を下回るのはおよそ32年ぶりだということです。国内の出版は全体として落ち込みが激しく、中でも雑誌についてはインターネットやスマートフォンの普及などの影響から発行部数や売り上げの減少が続いていました。

日販は「雑誌が置かれた状況は引き続き厳しく、大幅な回復は見込めない。一方で、書籍の売り上げは安定してきていて、ヒット作に恵まれれば、さらに伸びる可能性がある」と分析しています。


日本の出版物の大手取次の一つ、日本出版販売こと日版の決算短信が発表され、それによると同社の取扱商品のうち、雑誌の売上が書籍を下回ったとの話。ウェブ上ですぐに確認できる過去の資料の限りでも、確かに直近分で初めて雑誌の売上が書籍を下回っている......というか、書籍はやや大きなうねりを見せながらもほぼ横ばいなのに対し、雑誌は急降下中でクロスした感じ。EDINETに収録されているのなら、もっと昔のもさかのぼれるはずなので、これは今後の宿題にしておこう。

それはさておき。実のところ本のうち書籍はあまり減退しておらず、ヒット作が出るとぼーんっと伸びることが多々あるけれど、雑誌はその要素が無い。妖怪ウォッチやおそ松さん特需みたいなのはあるけれど、全体への影響はほとんど無い。利用環境を思い返すと、書籍は中堅層以降にも多分に需要があるし、読まれるシーンも多様に及ぶけど、雑誌は中堅層ぐらいまでの若い層がメインターゲットで、すき間時間の消費が主なシーン。で、それらは見事にネット、とりわけスマホの利用層とかぶるわけで。

「コンビニエンスストア業界全体の売上・店舗数は増加していますが、日販の主要アイテムのひとつである雑誌の売上実績は、対前年12.8%減で返品率51.2%でした」


「輸配送環境が悪化し、損益への大きなマイナスインパクトとなっています。雑誌の売上減少を食い止めるべく、PB商品の拡大や、出版社とチェーンが連動した限定PB商品の開発等にも力を入れて取り組んでいきます」


日版の決算短信そのものを確認したのは、実は今回がはじめて。色々と興味深い、気になる話が掲載されている。何しろ一次公開情報としてのものなのがありがたい。コンビニ雑誌の返本率がここまで高かったのかとか、輸送がネックになりつつあるとか。

コンビニの「対前年12.8%減で返品率51.2%」だけど、「対前年12.8%減」は売上減にかかるので、雑誌そのものの不調、コンビニの雑誌取扱い減少、返品率アップの複数が要因かな。そして「返品率51.2%」は過去の値が非公開なので比較はできないけれど、半分以上返本されているとは。コンビニ側でも余計なスペースを取ると判断しても仕方がない気がする。ああ、そうか。コンビニが雑誌を邪魔者扱いする一方で、書籍に重点を置いているってのは、このような実態があるからなのか。

雑誌と書籍の返本率が諸表にしっかりと書かれているのは要注目。時間があれば片っぱしから抽出してグラフ化したいものではある。

ちなみに。取次のもう一つの大手、トーハンの決算短信を確認したけれど(【業績推移(トーハン)】)、返本率にかんする記述は無し。ただ、書籍と雑誌の売上の関係だけど、やはり2015年3月末時点の短信ですでに逆転している。前年ではまだ雑誌が上だったので、タイミングとしては1年違いってことでほぼ同じ。来年以降は、両社とも書籍と雑誌の差はさらに開くんだろうな。

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このページは、不破雷蔵が2016年6月 3日 06:57に書いた記事です。

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