「そこに居た」だけでなく「居なかった」も個人情報になる

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これはついやってしまいがちなお話ではあるのだけど、情報の取扱の上では覚えておいて損は無いことなので、改めて的な感じで覚え書き。対象事案そのものはリンク先のニュース内容で確認してほしいけれど、要は芸能人が該当ホテルに居たということを従業員がソーシャルメディア上に流してしまい、個人情報の漏えい事案としてホテルそのものが謝罪したという話。その時に「いたという事実は無い」と弁明してしまった。

本当に該当芸能人がいなかったとしても、このような形で公式見解として出してしまうのはアウト。「居なかった」という個人情報の暴露に該当してしまう。だからその点は言及しないか、ノーコメントにするのが正解。あるいは居たか居なかったかは個人情報に該当するのでお答えできません、とするか。まあ、その辺りは適切な情報公知をしても、報道サイドが追及したり茶化したりして、語れと圧力をかけてくる例も昨今では想定しうるけれども。


「インディアン、ウソつかない。でも、だまっていること出来る」という言い回しがある......というか当方は使っている。この辺りは会話における誘導術とか尋問の際のテクニック的なところがあるので、説明し出すときりがないのだけど、情報をオープンにしたくない時に下手な言い訳、ウソをついてしまうと後で余計なトラブルをかかえることになる。語りたくない情報を避けるために中途半端な対応・いいわけをすると、別の切り口での情報を暴露してしまうことになる。

その辺りまで考えると、この類の回答には何も語らない、語る必要が生じても「ノーコメント」が一番ということになる。誠意をもって回答しろとツッコミが入るかもしれないけれど、実はそのノーコメントこそが一番無難で正しい選択肢だったりするわけだ。

あるいは中途半端な正確性の段階で語ってしまうと、後により確からしい情報が出てきた際に、情報の受け手側が混乱を来してしまうかもしれない。そのような状況が考えられる場合でも、「ノーコメント」が適切になる。まぁ、精査中であることが明らかならば「ただ今精査中です」と語るぐらいはよいかもしれないけれど。ただしその場合、精査をしていることを明らかにしてしまうので(精査していること自体が情報になる)、実際には精査などしていなかったりすると、単なるウソつきになるので注意が必要。

まあ、上場企業のプレスリリースなどを読む回数が増えてくると、この辺りの駆け引きについても、色々と実例で勉強ができることになるのだな、これが。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2016年5月21日 08:12に書いた記事です。

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