デフレ時代のビジネス、脱デフレ時代のビジネス

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商品は安ければそれですべてがオッケー、ともかく値段だ、的なデフレ時代。実のところこの言葉には「品質は維持されたまま」という消費者側からすれば非常に都合の良い条件が前提となっていた。要は「値を下げろ」とは「品質、容量は同じで値を下げろ」というもの。でもそんな無茶が常に通るはずもなく。品質が少しずつ落ちていくパターンも少なからずあった次第。同品質の代替品と銘打ってはいるけれど、数量化されないレベルで差が出てくる。そしてその数量化されない部分の違いに気が付く人もいる。

資本主義である以上価格競争は当たり前との意見も一理あるのだけど、同時に資本主義であるからこそ、個々の過程で必要なマージンが発生すること、数字化出来ない部分でも品質の差異が生じれば、それが商品の良し悪しに影響を与えることも知っておくべきではないかな、と。安ければ安いほど良いと主張する一方で、創り手側のお金の話の話をするのは下賤だ的な姿勢では、都合の良いように「資本主義」なる概念を用いているのに過ぎない。


同じ商品ならば安い方がありがたい。これは当たり前。浮いたお金を他の消費に回せるし、同じものならより多く買えるから。ただ人間の欲望ってのは尽きることが無くて、すぐにその価格に慣れてしまい、さらに安さを求めるようになる。この辺りはインフラ軽視の発想と似ているね。なぜ安くできたのかを察するためには、やはり製造工程をしっかりと認識しておかねばならない気がする。


マクドナルドは以前59円バーガーとかを出していた時に、客層の変化が決定的なものとなり、基本的にその時に刻まれたイメージからの脱却は今なお果たしていない感はある。最近のデザインリニューアルではその辺りの問題に気が付いたようで、当方が足を運んでいるお店ではオシャレ感が強くなっていた。まぁ、商品開発の方面ではまだ勘違い的なところも多いのだけど。

作業工程などに係わる話は以前もしたけれど、一度品質の劣化を伴う低コスト化をしてしまうと、なかなかもとに戻すのは難しい。工場ならばラインを創り直し、従事者の再教育が必要だってのと同じ。マクドナルドの商品に限れば、昔と比べて明らかに質が、味わいが落ちているというのは、大よそ意見が一致している。味の具体的数量化は難しいので、単純比較はできないのだけど。少なくとも同一メニューで「今の方が良い」とする意見はほとんど聞かない。

似たような状況は牛丼業界界隈でも起きていた......というのは本家サイトの牛丼御三家に係わる月次業績の記事で繰り返し言及している。牛丼側では客数が減るのを覚悟した上で、客単価を引き上げて品質も持ち直しさせ、客層のシフトを図っている。業績の上げ下げとか、昨今の豚丼周りもあわせ、色々とぶれが出ている部分もあるけれど、大よそ施策としては間違っていない。

ただ指摘もされているけど、デフレ時代に環境に合わせる形で「安かろう悪かろう」のビジネスに慣れてしまうと、周辺環境がデフレから脱却しはじめても、それに対応するのが難しくなるんだよね。数字上ではマイナス効果が直ぐに出るけれど、プラスの効用が出るのは時間がかかる。ましてやサービス全体のイメージを払しょくするのは年単位の継続が必要。

あるいは松屋で、最近牛丼屋の松屋から、とんかつメインの松乃屋などへのシフトが進んでいるのは、松屋という牛丼屋のイメージを取り払うための発想なのかもしれない。

            

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このページは、不破雷蔵が2016年5月 7日 08:21に書いた記事です。

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