「吉野家の業績が落ちてきたので豚丼を出したのはデフレ脱却に黄色信号」という論旨展開にアゴが地面に落ちた

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具体的な記事の言及は避けるけれど、先日TBSのニュース報道でタイトルのような話が出ていて、ちょっと唖然とする。確かに豚丼は安いし、吉野家の業績はここ数か月足踏み...というか後ずさりするような状況には違いないけれど、それは先日本家サイトで【売上プラスは松屋とすき家、吉野家は再びマイナスに転じる...牛丼御三家売上:2016年3月分】でも言及したように、デフレ感云々の話では無く、吉野家独自の問題。自社の低迷、戦略上の停滞を世間一般の責にしたり、さらにはそれを伝える中で社会を叩くってのは、やり方としては陳腐ではあるな、と。

第一デフレ脱却に黄色信号だから吉野家がダメだっていうのなら、同レベル、むしろ吉野家より客単価が高め感の強い競合の松屋やすき家の動向に説明がつかない。

吉野家の場合、低迷の主な理由は、鍋に傾注しすぎだったということ。発売当初はクリティカルヒット的な形で売上を飛び跳ねさせたけど、段々とその神通力が減退していったのには違いない。特別が当たり前になると、常連はつくけれど目新しさを求める人は引いてしまう。人は常に「新しくて美味い」モノを欲する欲求も持っているからね。でも吉野家では鍋に注力しすぎたのか、次なる新商品の開発を怠ったっぽい。で、客単価引上げと客数減退のバランス調整に失敗した次第。客単価はじわりと上がっているのだけど、それ以上に客が引いてしまった。味の調整をするために醤油を入れたら、入れ過ぎてしょっぱくなってしまった感じ。

そこで客を引き戻すために、新規にゼロから開発するよりは手間がかからない、一定の需要も確実に見込める安価の豚丼を投入した次第。逃げてしまった低価格メニューを求める人達よ、戻ってきてね、的な。直前の四半期短信でも「鍋が目標ほど売れなかった」と出てたので、鍋に対する過剰なまでの期待があったこと、その期待に見合うだけの成果が上がらなくなっていることは、すでに開示情報でも確認できる。

余談となるけど、同じ牛丼店でも松屋は結構面白い状況になっている。店舗総数は増えてるけど、牛丼店が漸減して、カツ系のがじわりと増えてる。今では全店舗の1割ぐらいがカツの店。一応店舗数総数では全部合わせてあるし、売上の月次でも双方の合算なので、現時点では分けては考えていないけれど。まあ、マクドナルドの通常店とバリスタ系の店みたいなもので。

松屋のメニュー構成を考えると、牛丼松屋とかつの松乃屋などの客単価はさほど変わらない感はある。定食メニューとかを見るとほぼ同じ価格帯だからね。なので、顧客の需要の多様化が起きてるのかも、それに合わせて松屋は臨機応変に動いているのかなあ......と考えると、牛丼界隈をさらに面白く見ることができそうだ。

            

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このページは、不破雷蔵が2016年4月 8日 06:47に書いた記事です。

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