「規制緩和で状況改善」との話があったら、一歩引いて全体像を見た方が良い

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具体的事例の提示は避けておくけれど。ある事案に関して「規制緩和をして状況の改善を図るべきだ」とする、その筋の「専門家」の方の話を目にして思った事。規制はそれに影響を受ける人には邪魔なものに違いない。糖分制限はスイーツが好きな人には邪魔なもの以外の何ものでもない、禁煙の指示を受けている人はスモーカーにとって耐えがたい、避けたい指示でしかない。そのような人達にとって、規制は撤廃された方が、緩和された方が良い。その方が、自分の成したいことがより広い範囲で行えるから。それが社会正義に叶いそうに見えるのなら、大義名分もあるだろう。

でもその規制が、何のために現時点で存在するのかを考える必要がある。それが旧態依然のもので、今ではむしろ弊害の方が大きいのなら、規制は現状に合わせて変えていく必要もある。他方、その規制のおかげで社会の安寧が保たれていたり、緩和しろと要求のあった直接の界隈以外のところでプラスの効用が生じていたり、全体としては大きな恩恵がもたらされていた場合、その一部界隈における「(自分達が有利になるように)規制を緩和しろ」との意見に合わせる形で緩和した結果、他の部分にマイナスの影響が生じ、結果として短期的だけでなく中長期的にも全体としては損失の方が多くなる可能性がある。その場合、規制緩和は失敗の施策と判断せざるを得ない。

例えば上の例なら、糖分制限をしているのは糖尿病リスクが生じているからであり、制限を取っ払ってスイーツを食べ続けていたら、糖尿病が発症し、健康被害が実害として生じる可能性がある。発症してから「制限の緩和は間違いだった」と後悔しても仕方がない。さらにいえばその場合は、本人自身の問題となるけれど、世の中の規制緩和云々ってのは概して本人ではなく、第三者的なもの、例えばこの例ならスイーツを売るお店の人が「糖分制限反対。そうでないとうちのスイーツが売れない」と家に怒鳴り込むようなものなのだな。

規制緩和はコストもさほどかからない、ステキな施策、方法論に見える。しかしその規制の存在理由や緩和されてる生じ得る影響を思い返すと、低コストな分リスクも高い可能性も多々ある。にもかかわらず安易に「規制緩和で状況改善」を呈するような筋合には、それで生じるメリット・デメリットを総合的に評価判断しているか否かを確認し、それすらない場合には「自分の都合の良い所だけつまみ食いするつもりだな、周囲に迷惑がかかったとしても」という認識を持つ必要があるのだろう。

            

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2016年3月25日 08:02に書いた記事です。

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