消費刺激のために若年低所得層に「商品券」という話

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政府は23日、景気刺激のため編成する平成28年度補正予算案の目玉として、若年層の低所得者対策を盛り込む方針を固めた。生活必需品などの購入に充てられる商品券の配布を検討する。1月に成立した27年度補正予算は高齢者への臨時給付金が柱だったが、若年層の消費の落ち込みが目立つため、ピンポイントでテコ入れを図りたい考えだ。

......ということで先日発表されたニュースのお話。二段落目以降を読み解くと、各調査で取得したデータをもとに分析を行い、その対応策として何ができるかについて考慮した結果としての話となっている。消費支出が大きく減ったのは、実収入が増えないのに加え、社会保険料の負担が大きくなっているから。それは本家サイトの記事でも伝えた通りで、年金や医療費の観点などで、高齢者などを支える部分にメスを入れて、若年層をサポートしなきゃいけないんだけどね。

で、それなりに「調査した結果をもとにした、筋が通っている話」には違いないのだけど。

先行して書かれている「専門家」の説明が、揃いも揃って感情論一色のもので、開いた口がふさがらない状態となった。しかもそれらの肩書を見ると、いかにも「それをするなら俺達の方面にリソースを回せ」的な思惑がじわりとにじみ出てくる。非常に場違い、というか場所の使い方を間違っている感が強い。

そこでコメントを加えたのだけど。

記事で指摘されている「内閣府の調査」は内閣府の公式サイト内にある、政策課題分析シリーズの第8回「定額給付金は家計消費にどのような影響を及ぼしたか-「家計調査」の個票データを用いた分析-」で、最終版は2012年4月に発表されています。その内容では確かに定額給付金による消費増加効果は、高齢者世帯では受給前から受給当月、子供がいる世帯では受給前と受給2か月後に大きな効果が表れています。


他方、現金では無く商品券の配布としたのは、指摘の通り貯蓄に当てられ消費刺激の効果が薄れるのを避ける他に、居住地域の消費底上げの効果も狙ったものと考えられます。高齢者向けの臨時給付金が現金なのは、元々高齢層はその多くが貯蓄を切り崩して生活費を補填しているため、貯蓄に充てる可能性が低いからです。

もっとも高齢者においても生活必需品に充てるケースを考えれば、「臨時給付金も商品券に差し替える」のがベストでしょう。


システム上、4人目以降のコメントって、記事の展開時には無視されるので、ほとんど読まれないんだよね......しまったなあ、もう少し早く気が付けばよかった。というか、揃いも揃って利権がぐるぐる脳内を渦巻いてしまうような肩書とコメントの並びで、少々辟易してしまう感が。

ともあれ。昨年のプレミアム商品券はそれなりに効果が出ているので、それに近い効果は期待できるし、記事にある「家計調査」の個票データを用いた分析」でもそのような結果は出ているので、発想そのものは悪くない。

ただ個人的には年齢反比例型の定率減税の実施がベストかな、という感はある。世帯主が20代以下なら所得税の20%、30代なら15%、40代なら10%、50代なら5%、60代以降でゼロの控除。まぁ、受給年金や貯蓄切り崩しの部分で優遇対象とならないのであれば、40代以降は全部10%でもいい。

今件に限れば、「臨時給付金も商品券に差し替える」ってのがベストかなという感はある。商品券で地元にて生活必需品を購入してもらい、本来それに充てるはずだったお金を別のところに回す。これは若年層でも高齢層でも変わらないからね。

しかし先の「日本●×」の件といい、今件といい、福祉関連の専門家を名乗る方々が容易に本性を現す状況には、かなり驚かざるを得ない。

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このページは、不破雷蔵が2016年3月25日 07:14に書いた記事です。

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