差し止め仮処分を求める権利はあるし、それで損害が発生する可能性もある。でもそれが結局正当性の無いものなら発生した損害を補償してもらう必要は当然あるよね

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 関西電力の八木誠社長は18日、大津地裁による運転差し止め仮処分決定で停止している高浜原発3、4号機(福井県)に関し、不服申し立てを経て上級審で勝訴するなどし最終的に確定した場合の対応として「一般的に(原発停止に伴う)損害賠償請求は、逆転勝訴すれば考えられる」と述べた。ただ「会社として現時点ではまだ何も決めていない」とした。

先日の差し止め仮処分決定により稼働停止が命じられ、結果として損害が発生するようになった関西電力の事案。元々多大な損害が継続して発生しうるもので、それが裁判の過程の中で拡大するリスクがある場合、被害者側の損害を抑えるための仮処分制度ではあるのだけど、今回はそれを用いて発電所を止めるという行為が成されてしまう。当然、電力会社側には実害が生じることになる。

差し止め仮処分を求めた側は、現状では損害が拡大する可能性があるからとの思惑による提起ではあるのだけど、その思惑が裁判の結果として事実では無いと判断が下された場合、仮処分による損失は無意味な、理不尽なものとなる。当然、損害を受けた側が仮処分を求めた側に請求する権利はある。請求するか否かは判断に任せられるけれど。

これは当然の話で、その権利が認められなければ、やりたい放題になってしまう。損害を一切受けることなく、相手の行動を止め、損害を発生させられる権限を誰にでも与えることになってしまうからね。何回も提起を繰り返し、たまたま自分の考えとマッチする裁判官に出会えれば、思惑は達成する。しかもリスクはほとんど無い。これじゃ社会は回らない。

今後、賠償請求の動きが現実味を帯びれば、原発に反対する地元や周辺の住民へのけん制にもつながるため、議論を呼びそうだ。

共同通信の記事にはこんな話がある。この「議論を呼びそうだ」って、いわゆる符牒なんだよね。記者や新聞社側の。


以前にもこんな感じで何度かまとめているけれど、「議論を呼びそうだ」は書き手サイドの願望が多分に混じった、「議論を呼んでほしい」との思惑が反映されている。読み直してみればすぐに分かると思うのだけど、事実を連ねた内容に、さらりと書き手の思惑を混ぜることで、その思惑までも実態として読ませる形となっている。論説や解説記事ならまだしも、一次情報的なものに近い、事実報道の中でこのような書き方はいただけない。蛇足でしかない。

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このページは、不破雷蔵が2016年3月19日 08:02に書いた記事です。

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