エンゲル係数の増加と社会保険料の圧迫感

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先程本家サイトで掲載した【エンゲル係数の推移をグラフ化してみる】。見ての通り2014年から2015年にかけて、結構な増加が見られる。一般的にエンゲル係数の増加は生活の困窮化を意味するとの定義ではあるんだけど、ちょっと体感的に奇妙な動きでもあるので、改めて一歩引いて考え直し、数字を見直すと、色々な実情が見えてきたりもする。

その本家記事にもある通り、光熱費は幸いにも下がり始めている。食費が上がっているのは原材料価格の高騰が要因。あと消費税率の引上げ......だけどこれは単独では他の消費も底上げされているので、同率の上昇ならばエンゲル係数にはさほど影響は与えないから、結局は食費そのものの引き上げによるところが大きい。

また、食文化そのものを他の調査の結果から思い返すと、経費が計上されにくい内食から、便利だけど金がかかる中食へとシフトしているのも大きい。実際、コーヒーとかコンビニ弁当系は大きな上昇を示している。また、そのような中食に傾注しがちな高齢者の比率が大きく跳ねたのも影響している。

後はエンゲル係数の計算式そのもの(食料費÷消費支出)からも分かる通り、消費支出の減退が要因の一つ。これは社会保険料の増加が直接原因。健康保険や年金、介護保険料がボンガボンガ増えてて、これが家計をダイナミック圧迫。可処分所得がこれで減らされるので、消費支出も減る。結果としてエンゲル係数は上がる。


高齢層世帯における値の急増と、それに伴う全体値の増加は、こんな要因もある。勤労者世帯(勤め人。無職や役員、自営業は別)でくくっても、最近では高齢者が多分に含まれるようになっている。しかもその高齢勤労者の賃金は安い。年金補てんが主な理由であるし、再雇用で非正規のパターンが多いから。


高齢者世帯のウェイトが高くなるとエンゲル係数が高くなるのは、こんな理由もある。量を消費しないから品質のよいものを選ぶ。他にも健康志向とか、安いものを調達するためにあちこちに出歩くって様式が使えなくなる。近場のスーパーで全部そろえる、的な。行動に時間がかかるし疲れるので、遠出は避けたくなるのだよね。


これも一因。上でも触れているけれど、収入の幅が広い役員や専門職、自営業は勤労者世帯からは除外されるのだよね。元々稼ぎが良く、勤労者でカウントされていた人達が、カウントされない属性にシフトしてしまう。当然、勤労者全体の平均値は落ちることになる、と。

まぁ、この辺りは食生活そのものの変化、2014年から2015年辺りの動向において、摂取量に変化が生じたのか(購入頻度は増えている)、単価はどうかわったのかなども合わせ、時間を見つけて色々な面から切り込んでいきたい所。

食料品価格の上昇は致し方ないとしても、やはり社会保険料の増加はどうにかしたいものがある。いくら実収入が増えても、それ以上に社会保険料が増えたのでは、可処分所得はちっとも増えないものなあ。

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このページは、不破雷蔵が2016年3月18日 06:45に書いた記事です。

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