法令違反を繰り返したら法の定めに従って対処すると監督官庁のトップが語ると、なぜか「萎縮する」と猛反発する件。しかも今に始まった話では無い

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放送事業者が政治的公平性を定めた放送法違反を繰り返した場合、電波停止を命じる可能性に言及した高市早苗総務相の発言に対し、野党から9日、「メディアの萎縮をもたらす」(細野豪志民主党政調会長)などと批判が相次いだ。

先日から話題に登っている......というか個人的にはいつもの如くマッチポンプと切り貼りで話題に登らせて叩きの材料を循環取引的に創生しているだけの感があるお話。

「法は遵守すべきですか、法に抵触する行為を繰り返したら法は適用されるべきですか」と聞かれたら、その法に係わる監督官庁のトップは 『その法が執行されるべき状況が繰り返されればその判断はされ得ます』と答えるしかない。問題のすり替えと切り貼りで騒ぎのネタをつくっているようにしか見えないのよね。居酒屋の雑談ならともかく、国費を使って割かれている時間で問われる話では無く、また理路整然と考えれば質問の内容自身がおかしな話ではある。

加えて、今件の回答内容そのものは昔から語られていたことの繰り返し。


最後のトゥギャッターのまとめにも指摘されているけれど、「昔から語られていたこと」の昔とは、2010年11月26日の参議院での話に限らず、さらにさかのぼり1993年の椿事件がトリガーとなった監督官庁(総務省、当時は郵政省)の法解釈でもあったりする。

また、報道の自由が萎縮が云々とあるけれど、報道と放送は似て非なるもの。そしてそもそも論として「報道って何よ?」ということになる。先日の【「報道に使うのならばソーシャルメディアの顔写真は本人の使用拒否意思があっても使って問題ない」との見解。では「報道」とは?】でも挙げた話だけどね。

トゥギャッターのコメント部分に、「ああ、これがもやもやしていた部分の体現化だ」というものがあつたので引用する。当方自身にとってもスペシャルな糧になりそう。

いい加減、「国民」と「放送局」と「政府」の関係を正しく理解しなさいよ。「国民」は主権者。「政府」は国民によって民主的に選ばれた統治権力。「放送局」は民主的に選ばれたわけでも何でもない民間企業。そして「電波」は国民のものだけど、免許で「国民」から「放送局」に貸し出されているもの。放送法4条と関係法類は「放送局」が国民から借りてる「電波」を私的に自由勝手に使わないように戒めてるわけ。つまり放送法は国民の電波を放送局の私的な利用、悪用から守ってるものなんだよ


放送法4条に違反した「電波」の運用をした場合、「国民」が選んだ民主権力である「政府」が「国民」から与えられたその権限によって「放送局」から「電波」を取り上げる(停波)のは当然なんだよ。つまり主権者「国民」の利益を守るため、国民の利益代表である「政府」が、民間企業である「放送局」の暴走を抑止する、というのが放送法4条の構造だ。一言で言えば「国民」&「政府」vs「放送局」なんだよ。

ところが左巻きは「放送局」&「国民」vs「政府」という闘争モデル(笑)を脳内で作っている。民主的背景を持たない「放送局」が「電波」の私物化をしても放送法4条を適用するな、なんてのは「電波」の本来の持ち主である「国民」に弓引く行為に他ならない。この質疑応答がおかしいのは、国民に選出されたはずの国会議員が、国民の電波を放送局の暴走から守る立場ではなく、放送局の電波の私物化、暴走を守る立場で政府を非難していることだ。ぶっちゃけ電波泥棒の味方をしてるんだよ。言語道断、ナンセンスも甚だしい話だ。

こうしてみれば、電波泥棒の電波の私物化を守り正当化するための「政府が恫喝」だの「権力による偏向報道の是正は危険」だのという主張が、いかに滑稽でインモラルで噴飯物の暴論であるかわかるだろう。どこまでいっても盗人の屁理屈だ。だが、その盗人に三分の理を認めてやってるから政府は多少の暴走があっても、これまで放送法4条による停波をしたことはないのだ。放送法4条のより厳格な運用を政府に求めたいくらいの国民だっているだろうに、こんなに寛容な権力の、何が不満でどこが問題だというのか。大概にしてもらいたいものだ。

概ね同意 その視点で見ると昨今のマスコミや野党がいう「言論の自由の危機」ってものの本質も見えて来ますね。 独占状態にあった「情報発信」。これがネットの普及で崩れてしまったという話ですな。

そうです。これまで彼らこそが「言論の自由」だの「国民の知る権利」だのを隠れ蓑に、許可された資格を濫用してきた。彼らは国民と放送局を同化させて扱い、放送局が政府権力を攻撃することを正しいことのように偽装し国民に刷り込んできた。この質疑もそういう文脈でされているが、物事の真相は全く違う。放送局はイコール国民の代弁者、代表者ではないし、政府権力は自立権力ではない。政府こそが国民の民意を反映した正統権力であり、放送局は一企業にすぎません。


今件は質問側の過去の事例を紐解くに「お前が言うな&しっかりと調べてから物を語りませう&陰謀論は良くない」だけでなく、そもそも論として言論の自由ってなあに? 自由奔放で無制限の権利だけ主張できると同じように考えてない?、そして情報発信という手段の独占状態が崩れた現状における「もがき」をかいま見た感はある。

個人の価値観の変貌、情報伝達のツールの多様化と技術進歩に伴い、情報の概念がそれこそ人類史上初の変容を遂げている昨今において、「報道」の概念が従来のもののままで有るはずも無く。既存の概念の上で成立しえた独占的権限が音を立てて崩れていくのに、それをなお主張し続けるのはおかしな話でしかなく。それを「従来の4マスそのものとその関係者のみが『報道』だ」と認識し、それは絶対不可侵の存在で、少しでも自らのワガママ無作法の邪魔となるものであれば、すべてが断罪されるべきであると考えているのであれば、その考え方自身がすでに前世紀の遺物でしかないのだよね。

            

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このページは、不破雷蔵が2016年2月10日 07:51に書いた記事です。

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