マクドナルドが過去最大の赤字を出した件

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日本マクドナルドホールディングスが2月9日に発表した2015年12月期通期の連結決算は、減損損失や店舗閉店などに伴う特別損失72億円を計上したことなどで、最終損益が347億400万円の赤字(前期は218億円の赤字)となった。2001年の株式上場以来、過去最大の赤字額に上る。

先日発表されたマクドナルドの2015年分の決算短信。例の鶏肉品質問題が生じた2014年のダメージを引きずった上で、1月の異物混入周りの話が重なり、そりゃ数字が悪化しても仕方がないかなという感はある。もっとも、これも何度か指摘しているけれど、品質問題はともかく、異物周りは多分に報道側のネタにされた面が多いのかなあという気がする。

ともあれ。財務諸表を見る限り、「回復基調」という言葉は該当しにくい。ようやく下げ基調が止まったという程度。同時に発表されたリカバリープランに関しても、ごくありきたりの内容(これはまだ良い)と、それちょっと軸が違うんじゃないの的な発想のもので、このまま進んで行ったらどうなるのだろうかと逆に心配になる。

同時発表された戦略方針では、「お客様にフォーカスした取り組みをさらに強化することを通じ、ビジネスの回復を加速させ継続的な成長を目指す」とし、


・よりお客様にフォーカスしたアクション
・店舗投資の加速
・地域に特化したビジネスモデル
・コストと資源効率の改善

の4項目を掲げ、状況の挽回を果たすとしています。

もっとも数字の内容を見る限り、既存店売上高前年比の動向は先日発表された2016年1月分の内容からも分かる通り厳密には「回復」では無く「下落にストップがかかった」段階で、今後のかじ取りが重要となります(「既存店」の動向のため、採算性が悪く閉店した店舗の売上は計算外となる点も要注意です)。

ここ数年で大きく剥離した商品に対する信頼を取り戻すには並大抵の努力では叶いません。また現状の指針では自身の問題を掌握しきれていない感があります。特に企画開発陣の意識改革が強く求められます。


とは記事で言及したコメント。小手先の施策では無く、経営・開発・企画陣営の刷新が必要な時期に来ている気がする。いや、従来の人員で頭の切り替えが出来るのならそれがベストなのだけど、どうもそれを期待するのは不可能みたいで。一言で表現するならピンボケなんだよねえ。トップが変わってもその下がそのままって感じではある。

ポテンシャルが残っているうちに、本当の意味でのリストラクチャリングをする必要があると思うんだな、個人的には。

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このページは、不破雷蔵が2016年2月10日 06:38に書いた記事です。

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