マクドナルドの月次、売上高は前年同月比プラス35.0%とあるけれど

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[東京 4日 ロイター] - 日本マクドナルドホールディングス <2702.T>は4日、1月の既存店売上高が前年比35.0%増となったと発表した。客数は同17.4%増、客単価は同15.0%増。客数は、2013年4月以来、33カ月ぶりのプラスとなった。

東証の適時開示速報で第一報を見た時に、なんかすげー、3割強の増加かと思ってびっくりしたけれど、よくよく考えてみたら「前年同月比じゃん」的な。いや、開示報告書では今年の分しかデータが無く、当然1月分のみしか掲載されていないので35.0%プラスという値にのみ目が留まるけど、マクドナルドの月次レポートページを見ると当然前年以前のもあるわけで。

比較対象となった2015年1月って、例の異物混入騒ぎで4割近い売り上げ減を示したんだよね。で、そこからの持ち直し。しかも大本の値から3割減った上で、その値から3割り戻しても、元の値には戻らない。

単純な前年同月比では大きなプラスを計上していますが、1年前の1月は相次ぐ異物混入問題で売上が大きく減っており、それとの比較のための反動の結果に過ぎません。2年前同月比を試算すると、


2015年12月...-14.9%、-16.4%、+1.9%
2016年1月...-17.1%、-16.1%、-1.2%
(順に既存店売上高、客数、客単価)

となり、前月から状況はむしろ悪化しています(昨年同月からは半戻しという程度です)。今後数か月は前年同月の売上は数十%のマイナスを示した事から、反動で今回月と似たような動きとなり得ますが、2年前同月比も合わせて見る必要があるでしょう。


と、試算結果を引用の元記事にはコメントしてあるけれど、2年前同月比ではマイナス2ケタ近い下げ幅で、しかも前月より状況は悪化中。2年前同月比がマイナス17.1%なので、年換算ではマイナス9.1%。

もちろんIRでは極力ポジティブにが原則ではあるけれど、実情はいわゆる半戻し程度。見方を変えれば異物混入問題で生じたダメージの半分ほどは、中長期的な影響として残っていることになる。

先の「名前をつけてバーガー」も色々と指摘されているし、やはり抜本的な方向性の転換、練り直しが求められているんだろうな。

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このページは、不破雷蔵が2016年2月 5日 07:12に書いた記事です。

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