流行語大賞の違和感と懸念と

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【若者の流行語大賞離れ...2015ユーキャン新語・流行語大賞の中身を見て思うこと】でも触れた「2015ユーキャン新語・流行語大賞」に関してもう少しだけ、色々とまとめる形で。Blogosの記事では実際に一覧を創って色分けをして「ああ、これは確かにやっぱり奇妙だね」的な感を覚えると共に、違和感を持っていたのは当方だけでは無いと改めて。

「これが流行です。これの中から選びます」と呈されるラインアップのほとんどが、見聞きしたことが無い、聞いたことはあるけれど流行したとは思えない、見聞き回数は多いかもしれないけれど「それを『流行』の定義に当てはめたらアウトでしょう?」だったのは、当方だけかしら、と思っていたけれど。もしその通りなら当方自身が随分と世間から疎くなってしまったのだなと悲しみを覚える状況ではあったのだけど、どうやらそうでなくて一安心。

一連の流れ、内部的に偏った候補を選択しておいてアピールし、世間一般の代表的な印象を持つ、実のところはそうと判断するのは非常に困難な要素のある選択方法で選んだものを「世間全般の意識であり意見であり風潮である」とする方法論。どこかで身に覚えがあるような気がしたのだけど......


他にも色々と例は出てくるのだろうけど、とりあえず想起されたのが「世界報道の自由度ランキング」とか「1200人のジャーナリスト」「1万1000人の学者」的な話。既存の権威を悪用したり傘を被る形で、その権威を得るのにふさわしくない体裁のものにも権威を盛り込んで周知させようとする。この類の「悪用」が、元から存在していた権威や格調を侵食し、ぶち壊していくのだよなあ、と。ああ、先の「俳人」による「なんちゃら政治を許さない」的な、個人攻撃的なロゴも同様のパターンだね。


当方も合わせ危惧しているのはこの一面。それなりに歴史のあるイベントで、売上は随分と落ちているけれど、辞典を創っているところが主催している以上、今件の結果はそれなりの権威付けがされて「本当に流行っていた」ものとして流布されてしまう可能性がある。まぁ、歴史が創られる、というよりは捏造される、的な感は否めない。大衆文化がゆがんだ形で記録されてしまう。非常にやっかい。


「流行してないけど流行したことにする言葉大賞」ってのは言い得て妙。構造的にはホント、上記に挙げた「世界報道の自由度ランキング」と同じ構造になってしまった。一体いつから何だろう、こんなゆがんだ形になったのは。数量的な基準を創るのは難しいので判断も大変だけど、一度精査する必要があるのかもなあ。

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このページは、不破雷蔵が2015年11月12日 06:02に書いた記事です。

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