「「コンビニ難民」高齢者の6割」との報道を受けて

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高齢者の6割程度が、徒歩でコンビニエンスストアに行くのが困難な「コンビニ難民」で、買い物だけでなく日常生活のさまざまな場面で不都合が生じている――。三井住友トラスト基礎研究所の竹本遼太副主任研究員のこうした研究結果が、発売中の中央公論11月号に掲載されている。


大手コンビニ12チェーンの店舗網から、店の徒歩圏(半径300メートル以内)に住む65歳以上の高齢者の比率を推計した。


計算の元となる年齢階層別の人口配置地図とコンビニの具体的運営場所のデータを取得するのが一般人には難しい事から、同じことを容易に行うのは無理な話ではあるのだけど、考え方としては面白い。ただ「店の徒歩圏」を半径300メートルと設定したのは何か理由があるのかな、とも。近所に他に妥当な店が無ければ高齢者でももう少し遠出はする気がする。そりゃ近場にあればそれに越したことはないけれど、都市圏のように店が視界に複数店舗あるような場所ばかりじゃないし。

で、「難民」という言葉は正直あまり使いたくない。本家記事でも「買い物困難者」的な、ちょっと回りくどい言い回しを使うようにしている。「ガラケー」をできるかぎり使いたくないのと同じ感じ。その買い物困難者に関して、コンビニにスポットライトを当て、それが近場にあって当然、無ければ超困る......的な考え方のようだけど。

コンビニに関してはむしろ、高齢者ほど毛嫌いしていた傾向があるんだよね。直近では2008年戦後に原油高が生じた(例のサブプライムローン問題の影響を受けて先物市場が高騰したのがきっかけ)のを受けて省エネが叫ばれ、そこから「夜間の営業は無駄だ」、さらには「夜間に営業していると明かりに集まる虫のように子供達が集まる。健全では無い」的な話として。当方も【コンビニ深夜規制論争、理由は「エコ」かそれとも「エゴ」か】をはじめ、いくつか記録の形で記事を書いたから良く覚えている。

大店法...ではなく大店立地法の責が多分にある(小規模店舗・地元商店街を圧迫する大規模店舗の進出を容易にした)との話もあるけど、それが無くとも流通の進歩発展は進んでいたし、大型デパートやスーパーの進出が無くとも、継承者問題もあわせ地元商店街的な小規模店舗がどこまで経営を維持できていたかを考えると、あまり違った現在の姿は描けない気がする。それに大店法の廃止前から、すでに一般小売店からスーパーへの購入先シフトは起きていたし、ね。

2008年当時のコンビニ忌避のムーブメントを覚えている当方としては、あの時あれだけ嫌っていたコンビニを、今更重宝する、近くに無いと困るといわれてもな......という気はする。

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このページは、不破雷蔵が2015年10月15日 07:11に書いた記事です。

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