「3世代同居の住宅政策」とあるけれどよく読むと......

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石井国土交通大臣は、9日、就任にあたって行われた報道各社とのインタビューで、「安倍総理大臣からは、希望出生率1.8の実現を目指し大家族で支え合うことを支援するため祖父母・親・子どもの3世代が同居したり近くに住んだりすることを促進するような住宅政策を検討・実施するよう指示があった」と述べました。

ということで人口構成比率の問題に合わせ、住宅政策を色々考慮してほしいとの話。記事タイトルでは「三世代同居」が強調されているけれど、本文を読めば分かる通り「大家族で支え合うことを支援するため祖父母・親・子どもの3世代が同居したり近くに住んだりすることを促進」であって、同居とは限定してないんだよね。この辺りがミスリードっぽいなあ、とタイトルを目にしながら。

【種類別世帯数の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)】にもある通り、三世代の同居世帯は漸減の傾向にあり、これは今後も変わらない傾向に違いない。他方で同居ではないものの、いわゆる「スープの冷めない距離」的な、近場に別居して住むというスタイルが増えているとの話がある。同一住宅内だけど世帯区分は別の二世帯住宅の考えをさらに発展させたようなもの、と見れば良いかな。


日常生活の上での直接干渉は避けたいけれど、何かあった時にはすぐにアプローチできるような安心感が欲しい。そのような想いを持つ人は増えている。上記データでも完全な別居派よりは少ないものの、同居派よりは多い。この辺りの話は、「新しい『セミ同居』スタイル」として実統計データを探してみる必要がありそう。

少子化対策を巡っては2年前から国土交通省所管の「UR・都市再生機構」が管理する賃貸住宅で、2世帯が近くに住んだ場合には家賃を割り引く制度を導入しています。

上の引用記事の表記を元に見つけた、URの面白制度。セミ同居のことを「近居」と定義づけて、近居スタイルを取る人に優遇策を設けているそうだ。近居割とか、携帯電話の料金みたいだな。でもこれは要チェックな制度かも。

ダミーな住まい方との見極めをどのようにしていくかが問題視されるけれど、この制度を実施する賃貸利用者に政府が直接・間接的に補助金を出したりするってのもありだろう。これなら昨今の「同居はしたくない」「でも心配なので近居なら......」とのニーズにも応える形となる。

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このページは、不破雷蔵が2015年10月11日 07:42に書いた記事です。

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