医学部の定員を削って医療費削減を狙う......!?

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政府は2020年度から医学部の定員を減らす検討に入った。将来の医師数が都市部などで過剰になると見込み、03年度以来17年ぶりに医学部生の削減にかじを切る。全体の定員は減らす一方で、地方の医療機関に就職する学生の枠を広げて医師不足に対応する。人口減少と病院ベッド数の削減を見据えて医師の数も抑える。医療費の膨張を防ぐ狙いだ。

昨今の観測、独自取材的ニュースは多分に、一部勢派の観測球や伝える側の意図が多分に混じっていて、単なるプランや意見の一つにすぎないのか、総意にして決定事項なのかが判断できず、むしろその判断が出来ない状況を好んでいるフシがあるので、話半分に見ておく必要があるのだけど。

医師不足が生じている一方で都市部のみでの医師数の過剰に備えて、医学部の定員を減らす、医療費の膨張を防ぐため......って日本語としても色々と間違っているっぽいので、どうも状況がよくわかっていない、把握できていない人の「こんなだったらいいな」的な話、記者側の状況把握不足感は否めない。

いずれにせよ、医師数を削って医療費抑制というロジックが構築できるのは、ちょっとナニがアレな感じはする。


そもそも論として、課題の筆頭に挙げられている「医療費削減」。これの主語が何かで大きく意味合いが違ってくる感じがする。個人の、特に高齢者の負担なのか。それとも社会保障費として国庫から負担される、社会リソースとしての負担なのか。

個人の負担云々ならば、これは医師の数を増やしても減らしても影響はない。社会リソース全体としての医療費の削減ならば、最初の指摘にある通り、患者数を減らす、あるいは患者負担を増やせばよい(患者負担を指摘の通り増やせば、間接的に患者数は減る)。医師を減らしても患者が減らなければ医師の負担は増えるばかり。で、治療行為を完全な自由価格競争に......する訳でもなく。それともアレかな。医者の数だけ患者が増えるという、間違った相関関係の認識がなされているのかな。

5割は極端だろうけど、今の2割負担を3割から4割位に引き上げるだけで、随分と状況は改善されるような気がする。

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このページは、不破雷蔵が2015年9月14日 07:41に書いた記事です。

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