「負担が増えているので携帯電話の料金安くならないかしら」とその内情

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安倍晋三首相は11日開かれた経済財政諮問会議で、携帯電話料金の家計負担軽減が大きな課題だとして、高市早苗総務相に対して料金引き下げの検討を指示した。甘利明経済再生相が、会議終了後の会見で明らかにした。


甘利再生相によると、携帯通信料が家庭支出に占める割合が拡大しているうえ、携帯通信事業者が3社体制で固定化し「競争政策が働いていないとの指摘もある」として、首相が総務相に指示したという。


......ということで家計内での携帯電話の料金負担が重くなっているので、ちょっとまずいから何とかした方がええんとちゃう? 競争も働いてないっていう指摘もあるで?? という話。まぁ、先日のiPhoneの新型に関する予約受け付けを始め、横並び的動きが相次いでいれば、競争してないやんって指摘も仕方がないのかも。

一方で、携帯電話は今や準インフラ的なもので、法的にも一定水準の品質を求められているので「安かろう悪かろう」的な施策が打ち出しにくく、どうしても横並びっぽく見えてしまうのも否めない。ガスや電気のような生活に必要不可欠なものもまで持ち出して、競争原理を働かせろ、安くしろってのは、愚痴以外の何ものでもなく、少なくとも専門家が提言みたいな形で語る内容ではないけれど。


ただ、携帯電話料金が高いってのは、一側面でしか見ていないところも。国際比較をしてもべらぼうなものではない。昔と比べて負担が増えているのは、

①従来型からスマホへのシフト
②所有率の上昇に伴う世帯ベースの利用率の増加

が主要因。可処分所得の減退もこれに加わるかな。ただ、これもその少なからずは世帯構成人数の減少も関わってきたりする。

今件の場合は「家庭への負担が大きくなるから安くした方が良い、してほしい」は正解であっても、「海外と比べて高いから安くすべき」は間違いであり、ましてや「電話だけでなく電気やガスなどのインフラも安くすべき」との意見は、単なる愚痴以上の意味は無い。この点に注意。そもそも料金体系が違うのだから、一律で国内外を比較するのは無理。品質も合わせて。


安かろう悪かろうとか品質問題とかは、こんな話もある。今注目の格安スマホも似たようなコンセプトかな。制限があるしハードルは高いけど、その分安値で済む。それが話題には登っているけれど主流にならないのは、それ相応の理由があるから。

この辺の端末の話は、最新の情報通信白書の【インターネットアクセス拡大に向けた上位レイヤー企業の取組】、特に「Facebookの取組:「Internet.org」」などで解説されている。一読しておくと何か役に立つかも。

まぁ、移動体電話の料金、固定電話料金周りについては、後ほど詳しくデータをまとめておく必要があるのかもしれないな。

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このページは、不破雷蔵が2015年9月13日 08:30に書いた記事です。

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