「お年寄りの機能が若返っている」との話

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医学の進歩は数々の疾病の発症リスクを減らしたり、発症しても致死リスクを軽減させるようになり、平均寿命は伸びつつある。それではお年寄りの身体的特性は、昔と今ではどのような違いが......という疑問は沸いてくる。要は老衰で死に至るまでの各種身体機能の劣化度合い。昔が50歳でもうよぼよぼだったけど、今では70歳でもシャキーンとしているとか、そんな感じ。

発症しにくくなる、発症しても治癒できる領域が広がるとなれば、同じ歳でも身体的な性質は高くなるのは当然の話(発症する病気の数が少なくなるし、重度の病症の経験も減る。結果として身体機能が削られる機会も減少する)。また栄養状態や社会インフラの衛生面での状況改善などもプラスとなる。

先日の【主要死因別に見た死亡率をグラフ化してみる】で今年分から加えた、老衰による死亡者の比率も、漸減傾向だったのがこの10年間位で再び増加している。要は医療科学技術で手を打てる部分による致死リスクの減退がある程度天井感に至り、老衰死亡者が増えてきたという感じ。また、お年寄りそのもの高機能......というか健康化に伴い、より高齢の人が老衰で亡くなる様になっている部分もあるのだろう。


昨今では高齢層にもスマホをはじめとした各種デジタル機器、特に機動力を有するハンディ系のものが浸透し始めているけれど、必要性にかられて、元々興味関心があったけれど廉価化に伴い手を出しやすくなった、そして昔と比べれば高齢者でも比較的身体機能を保全している人が多いのも、普及の一因ではないかなあ、と。例えば前世紀、高度経済成長時代の70歳の人にスマートフォンを渡したら、果たして使いこなせるだろうか。事前知識は現在の70歳の人と同じだと仮定して。

要は、昔の高齢者は本当にギリギリ生きている感が強い部分もあったけど、今の高齢者は同じ年齢なら、かなり現役世代に近しい状況の人も多々いるのかなあ、という気はする。数字的・指標的な裏付けは難しいけど。

裏付けになるか否かは別として、まぁ、この部分は毎年の老衰死亡者率に関して、単に老衰だけじゃなく、何歳で老衰にて亡くなったのかを合わせて検証するのも面白そうだな。

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このページは、不破雷蔵が2015年9月13日 07:59に書いた記事です。

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