スズキが所有していたフォルクスワーゲン株式を売って367億円の利益をあげた、けれど

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フォルクスワーゲン(VW)のこれまでのイメージが大きく損なわれ、下手をするとドイツ全体の心理的なマイナス面にも小さからぬ影響を及ぼしかねない、環境周りの数字のごまかし問題。ヨーロッパ全体に疑問の念がぐるぐる渦巻きはじめているのと、ドイツは先の移民問題でもかなり危ない橋を渡っている最中なので、ハラハラモードで眺めている感じ。下手をすると数年前の債務問題よりもリスキーな状態かもしれない。

で、このような状態で、スズキとVWが手を切っている作業が進められているので、英断だ天啓だと言われている。その実態はともかくとして、両者が国際仲裁機関に仲裁を申し立てて「提携解消しなさい」といわれたのが8月末。だからタイミングはともかく、実体問題としては偶然と考えて良い。

先日上記のリリースが公開され、提携の際にやりとりしていたVWの株式を、ポルシェ一族の会社に売渡し(VWの筆頭株主でもある)、367億円の利益を挙げたことで、さらに英断説に拍車がかかる形に。


ただ、相互資本提携なのだから、逆もまたしかり。スズキは先日、VWから自社株の買い戻しをしている。この売買に伴う損失は2300億円位。先のVW株の売買による367億円の利益は軽く吹き飛んでしまう形。まぁ、リーマンショック後におけるやりとりなんで、今と比べれば株価はべらぼうに安かったというのもある。

加えて、たとえ株式のやり取りの状況を元に戻す際に、2000億円程度の損をスズキがしてしまったとしても。提携の間、そして解消に至るまでに得られた経験、加えて今後VWに想定される状況で延焼するリスクから免れたことを考えれば、2000億円は決して大きな額では無い。むしろそれでも安いくらい、かも。

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このページは、不破雷蔵が2015年9月27日 06:51に書いた記事です。

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