「デングじゃ、デングの仕業じゃ」とあおり立てるメディアでしたね

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そういや昨年、デング熱に係わる問題が一時期世の中を騒がせ、デングと天狗をかけて、記事タイトルのようなネタ話が持ち上がったこともあった。結局従来型の大手メディアが大いに騒ぎ、それに載せられた感は強いものがある。そりゃまったく無視しろってわけではないけれど、その実態と比べてネタにされすぎたという感はある。加えて、上記指摘の通り、ワクチンで儲けたい云々という話もあった......ってのは今初めて知った。そんな荒唐無稽な話まで語られていたのか。その場で「顔洗って出直してきな」でオシマイになりゃいいんだけど、ネット上には一定数のネタ的陰謀論を信じる層が出て来るので始末に負えない。

で、メディアは視聴率、購読率がビジネスの肝だから、注目されればされるだけ成果があったことになる。たとえ嘘でも出まかせでも大袈裟でも、視聴率が上がって販売数が増えれば勝ち。要は各提供側の企業による商業行為の理念を超えるものではないのだけど、その段階で文化やら報道の自由やらを振りかざしてくるので、おかしな話になる。

今件もデング熱に関して過剰な騒ぎっぷりが、世間一般の騒乱を招いた感は強い。まぁこの類の話は昔から繰り返されていることで、例えば直近でも震災後に精神的な方面でストレスやら病症を発して病院に足を運ぶことになった人を治療した医師からの提言として、報道の過剰な、煽動的な伝え方を止めるようにとの統計結果なり提言も出ている。


特に健康への注視留意が大きなものとなる高齢者で、テレビや新聞、雑誌などの従来型大手メディアを信奉する人が多いことから、この「売れるための煽動」を「事実の報道」として受け止めてしまい、パニックに陥る事案が多分に想定される。それら媒体にとって高齢者は、「おおかみ少年」の寓話で、いつまでもだまされる的な存在の村人扱いされているのかもしれない。

商業的に利益を得るのは企業としての存在理由、意義。報道やジャーナリズム、文化機関としての存在意義・理由はまた別のもの。昨今では前者ばかりに注力しているせいで、後者がおざなりになっている感はある。それって、別に今のスタイルである必要はないし、後者を盾にしてさまざまな特権を主張する権利も無くなるよね?

おおかみが来たぞと毎回騒いでだおおかみ少年が、その後どうなったのか、知らない人はいないはず。たとえ本当におおかみが来なかったとしても、少年自身の語りを信頼する人はどんどん少なくなっていったんだけどね。

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このページは、不破雷蔵が2015年7月21日 07:08に書いた記事です。

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