「エレベーター・ミーティング形式」ってなんだろう?

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先日の【日本のビジネスメール、いらんこと多すぎて長ぇよ、という話】の後日談的な話。相手に意志を伝える時に、ざっくりと端的に語ればそれだけ時間は短くて済む。これは時間の節約だけでなく、相手の拘束を最小限に留める、さらには伝えたい本質が濁らなくて済むとの点でもすぐれている。一方でかしこまった様式でないと、乱暴に見えてしまうとの考えもある。だから最初に通常の様式で相手に意志を投げて、冗長に過ぎるとの反応があった場合には、さっくりと短いスタイルに切り替える、あるいは短い様式でも良いかの確認をしてから......というのが良いと思っている人は多く居る。何しろ、端的な説明を失礼に覚える人は結構、しかも上の方に居る人に多いから。

でも軍隊では特によくあることなんだけど(時間が命に直接かかわるからね)、単刀直入な切り込み方、言葉の投げ合いが求められる、その方が良いってのは良くある話。一球ごとに相手に会釈をして、太陽とボールとミットに感謝の言葉を投げかけて、不思議な念の踊りを踊ってから相手にボールを投げるキャッチボールをしていたのでは、相手はあきれ返ってしまうに違いない。単にボールを投げ、相手のボールを受ければ良いのだから。

このシンプルなやりとりのことをエレベーター・ミーティング形式と呼んでいるのだそうな。要はエレベーターで移動する50秒ぐらいの間にさっくりと説明できるようにしろ、というもの。

似たような話は、報道系の記事の執筆の際のルールというか様式で聞いたことがある。最初の一段落、250文字(英語)で、全体として語りたいことのすべての要約をぶち込め。忙しい人はそこしか読まないのだから、というもの。以前説明した「ザックリいうと」と同じコンセプト。あるいは最近無くなりつつあるとの話だけど、電車のつり革広告における雑誌の内容を解説するコピー達。


世間一般にはむしろエレベータ・ピッチとして知られている言い回し。ネット上の言葉なら今北産業。インターネット上の文字情報ってのは蓄積され検索され、追加補てんされること、あちこちに引用し、引用されるし、ページの文字量に制限は無く、やたらとページめくりするのは嫌われることを考えると、相応に文字量をぶち込む必要があるし、その方が良い場合も多いのだけど、このエレベーター・ピッチの発想が求められる場合もあることを、改めて認識しておく方がいいんだろうな。

それこそ昔ちょいと触れた「あっさり言うと」コンテンツの創生、とかね。

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このページは、不破雷蔵が2015年6月27日 08:06に書いた記事です。

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