ツイッター上での「取材」ツイートから発する、報道とネットとの関係

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本文の「テレビ」はテレビ局・制作側等の制作集団ですが、「ネット」は個人またはその意見の集合で、同一視する・対立姿勢で語るのはミスリードです。


「制作側は真面目で懸命」「ネット利用者は根拠のないマスコミ批判等勝手な事」ですが、これも「勝手な事」ではないでしょうか。さらに「寝ないでコンテンツを創っている」としても、それと礼儀作法やマナー上の問題は別の話。また、実際の取材同様、ネット経由の「取材」も断られる事は当然ありうるわけで、ネットの場合に「これだからネットは」とするのは、それこそ偏見でしょう。

ネットは単なるインフラ。個々と直接のやり取りのツール。その点の認識は欠かせません。

なおツイッターのDM仕様ですが、これは設定上「すべてのユーザーからダイレクトメッセージを受信する」をチェックしない限り、誰からも受信できる訳ではありません。そして初期設定ではオフになっています。


先日掲載された、例のペヤング発売再開に関してフライング販売の状況を写真にとらえたツイッター利用者に、フジテレビの担当がツイッター経由でその写真を使いたい的なアプローチをしたところ、一部から「自分で取材しろ」とのリアクションを受けた件がきっかけとなった話。

本文では後半部分で「テレビ側は色々頑張ってる、苦しいので仕方がない」「ネット側は偏見が強い、勝手な事ばかり言う。リテラシーが低すぎる」と主張している。最後の段落で言い訳的な感じで報道側にもちょいとツッコミをしているけれどね。どちらが主旨なのかは一読すれば良くわかる。

で、どうも話の切り口がアレなんで、文字制限の中で色々とツッコミ返したのが上のコメントな次第。

ネットはインフラ。テレビはインフラであると同時に企業行動の主体、あるいは業界ベースの集合体。それを同軸に並べて比較すること自体が間違っている。ネットユーザーという集合体で物事を考えて、それとテレビ業界とを比較することが妙な話であることは、容易に理解できるはず。


これらの指摘で思い出したのが、某事案で某社長が語った「私だって寝ていない」の話。一理はあるけれど、だから何という感じ。さらには某記者会見で某記者による「人が死んでんねんで!」と似たような雰囲気はある。テレビ側も色々と苦しいし頑張っている。だから対応ぶりには目をつむってほしい。何か違う。


最初のコメント部分でも言及しているけれど、結局ネットってのはインフラであり、今件の場合ならツイッターはツールに過ぎないのだよね。そして対応するのは個人。普通の対面による取材と同様の姿勢を見せなければいけないのは言うまでもない。

これも以前指摘したけれど、かつてのような「不特定多数への情報発信手段が、ごく一部の所属にのみ与えられた特権的行為」「そのラインに乗せられることは、名誉的な意味があるので、それだけで十分な対価になる」って状況のままで、色々と現在のインフラにも対応している気がするんだよね。

ネットが普及していない、ツイッターなどがまだ浸透していない時代なら、自分が撮った写真がテレビで使われるとなったら、超嬉しいし周囲にも自慢できたのだろうけど。今はそんなもんじゃないよね。そして新しいインフラの上での行動で、これまでの傍若無人ぶりが容易に露呈されるようになった、それが今件も含む一連の問題の根源なのかもしれない。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年6月13日 08:00に書いた記事です。

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