原稿を一晩寝かせて熟成するのは原稿自身では無くて

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執筆スタイルが原稿用紙にペンや鉛筆で殴り書きをする形から、ディスプレスを目の前にキーボードをざくざくと叩いて打ち込んでいくものに変わったとしても、「原稿を一晩寝かせる」ことの重要性に変わりはない。一度書き終えた記事、原稿も、一晩寝かせて読み直すと、もっと良い表現を足し引きしたり、間違いに気が付いたりする。

でも指摘の通り、よく考えてみたら、漬物じゃないんだから一晩記事そのものを寝かせたところで、内容が変化するわけでは無い。チェックをする書き手自身の脳がお休みすることでリフレッシュされて、書いていた当時は回らなかった思考が回るようになり、気が付かなかった点に気が付いたりする。

だから寝て熟成するのは記事では無く、書き手自身。うむ、間違いない。

時間が経過することで読む環境、脳内のチェックすべき機構部分が変わり、以前は気が付かなかったことに気がつくってのは「寝かせる」以外にも良くある話。書きあげた記事を掲載後に読み直してみたら妙なところに気が付いたり、数か月経って精査し直してはじめて「何でこんなミスに気が付かなかったのか」ってことも良くある。またよく言われる話で、デジタルの画面上では目に留まらなかったミスなどに、プリントアウトしたものではじめて気が付く場合がある(これはどうやらプリントしたものと、電子的な媒体で見る場合とで、脳内の処理が違うかららしい)。

ともあれ。原稿を一晩寝かせるのは、それ自身に違いは無いけれど、むしろ本当に必要なのは書き手、チェックする人が一晩寝る事。だから「原稿を一晩寝かせる」のに「その間は別の原稿を書いて徹夜しよう」ってことでは何の意味も無いことになる。

「だからなに?」と言われるとそれでオシマイになってしまうのだけれど(笑)。寝ているのは誰なんだろうかと考え直してみる......というかそのような発想に至るような感性を、大切にしたいなあとは思う。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月17日 09:10に書いた記事です。

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