映像の切り抜きは信頼性が高い。でも気を付けないと釣られてしまう

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何度か取り上げて警告した、昔の映像のワンシーンを持ち出して今のように語ったり、別の意味を持たせて誤誘導をさせたり、さらには煽ってリンクを踏ませたりといった、新しい手口の詐称方法がある。単なるテキストだとすぐに改ざんされる、画像だと信頼性が高いけどフェイクやコラリスクがある、動画ならフェイクリスクは比較論だけど低い(フェイクを創るための労力がかかるので割が合わないと判断される)。そこで、信頼性が高い映像のワンシーンを画像として切抜き、映像レベルの信頼性を画像に持たせるという手法がある。まぁ、ぱっと見でイメージカット的に使えるってのも大きいのだけど。

今件に関しては「毎度おなじみの徴兵制度でございます」的な感があり、最初はスルーしていたのだけど、


こんな感じで自分の記事が引用されて、信頼性の担保として使われていたのが確認できたので、ちょっと検証が必要かなあと思っていた次第。すでに検証がなされていたので、今件を覚え書きとして。

これって結局、文脈や主旨、主張を無視して信頼性があるように見える情報が流布されるってことなんだよね。例えばテレビインタビューで「当社が仮にハンバーガーの価格をすべて現状の5倍に上げて、原材料をより良いものにすれば、品質は向上するだろう。しかしそれは現在の当社の理念や顧客層の需要には合致しない」と某ハンバーガーチェーンの代表が語ったとして、「ハンバーガーの価格をすべて現状の5倍に上げて」の部分だけを切りぬいて「某ハンバーガーチェーン店、主要商品の大幅値上げを示唆」なんてあおりで風潮されたり、記事にされることを意味する。

文字だけなら「また切抜きか」などと思われるのがオチだけど、今件のように映像資料的な画像が添付されたら、信じてしまう人も多い。

情報の頒布は容易になり、ハードルは下がり、量は増えている。けれど、その内容の精査にはこれまで以上の労力がかかり、しかもリターンが少ないため、手掛ける人も少なくなる。多くの人は誤情報や煽動に惑わされ、山師やペテン師や詐欺師がうほうほする状況が形成されていく。【「嘘をつくのは低コスト、嘘を検証するのは高コスト」非対称性の宇宙大原則】でも言及しているけれど、何か良い方法はないものかな。

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このページは、不破雷蔵が2015年4月22日 07:53に書いた記事です。

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