軍事費の伸びとグラフの書き方と

| コメント(0)
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が13日発表した報告書によると、2014年の世界の軍事支出は前年比実質0.4%減の総額1兆7760億ドル(約213兆円)だった。欧米諸国が関連予算を減らす一方、アジアや中東地域などが大幅に増額したため、全体として前年とほぼ同水準となった。

SIPRIのレポートは容易に取得が出来て、簡単な数字のあれこれをグラフ化すると、ちょっと違った見方が出来る資料が出来そうだな......ということで、後でどうにか記事にしたいと思っているので、覚え書きも兼ねて。元記事の表記もなんだかちょっとアレだし(増加率で比較するのはいいけれど、金額で50倍も違う中国とベトナムを横並びにしてどうするねん、みたいな)。

まぁ概要としては大よそ記事の通りで、西欧諸国が漸減しているけれど、中東や東南アジアが伸びているので、結局世界全体の軍事費はあまり変わらない、と。ただ、中東は例のアラブの春を元にしたぐちゃぐちゃが主要因だけど、東南アジアは中国の強硬政策が原因なんだよね。その辺を触れてないのはいかんともしがたい。

ちなみに上の記事でもコメントしたように、上位陣はこんな感じ。

今件記事の詳細リリースはSIPRIの公式サイトのMediaメニューの最上位にある「13 Apr. 2015: US military spending falls, increases in eastern Europe, Middle East, Africa and Asia says SIPRI」から取得できます。ウクライナ情勢を受けてヨーロッパ方面での特集が組まれており、そこではロシアの軍事費が中期的に伸びているとの言及がなされています。

上位陣は

アメリカ...6100億$
中国...2160億$
ロシア...845億$
サウジアラビア...808億$
フランス...623億$
イギリス...605億$
インド...500億$
ドイツ...465億$
日本...458億$
韓国...367億$

です。

なお2005年からの伸び率では中国が+167%、アメリカはマイナス-0.4%、日本は-3.7%となっています。


で、そんなことを書こうかな、としていた矢先に、軍事費周りで別の面白イベントが。


グラフそのものをどこから抽出したかは述べていないけど、その切り口から見るに、多分1月で取り上げた赤旗のものと出所は同じ。まぁ、同じような手口を繰り返すってのは良くある話だし、先日の選挙でも選挙演説カーからの演説で、某産党の候補者はしきりに軍事費軍事費言ってたからねえ......

かつての一過性な情報の露出のみで済んだ時代はとうに過ぎている。記録保全され検索対象となり、逐次検証されていく。勢いだけでその場で周囲を説得して頷かれても、それがフェイクであればすぐに暴かれるリスクがある。嘘をつくこと、詭弁を用いることのデメリットが積み増しされているんだな。

この辺りは上記の通り、軍事費周りで記事にしたためる際に、ちょいと絡めておいた方がいいんだろうね。対GDP比の話と合わせ。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年4月14日 07:35に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「実質賃金と就業者構造の変化に関する覚書/自身への宿題的な」です。

次の記事は「売っているものは買いましょう、お金を取るのには意味がある」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30