なるほど必要不可欠なのね、同人誌と奥付、そして発行責任の話

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奥付に記載する必須事項は、以下5点です。


1.本のタイトル
2.発行日
3.発行者(サークル名もしくは著者名)
4.発行責任者の連絡先
5.印刷会社名


雑誌や単行本などには必ず存在する「奥付」。その発行物がどこで出版され、誰の責任によるものなのかを証明するもので、まぁ身分証明書みたいなもの。どのような商品にも存在する製造販売メーカー名や原材料の表示と同じようなもので、これが無いと色々と怪しまれるだけでなく、トラブルの元になるよという、印刷業者さんからのお話。責任所在が不明確な商品の展開がいかに問題かは、例えば食品周りで多発する事案で多くの人がすぐに理解できるはず。

なるほどな、と思った点も数点ある。

一つが「特に奥付のない成人向けの本は、ブラックマーケットと結び付いている可能性があると、当局からみなされるリスクがあります」。実態例は記述されていないけれど(そりゃ当然だ)指摘されていることは大いにうなづける。今件は主にアニメやマンガの創作系同人誌を対象としているけれど、それ以外の対象を内容とするものもあるわけで。危ない橋は渡らないのが適切。

もう一つ、むしろこちらの方が重要で、指摘されて「ああ、そうか」と思ったのがこれ。

特に「発行責任者の連絡先」が重要です。本来であれば商業誌と同様に所在地(住所)や電話番号を記載することが望ましいのですが、悪用の恐れもあるため「メールアドレスかHPアドレス」でも可としています。最近はtwitterやpixivなどのIDのみが連絡先として記載されている原稿も多くなりましたが、連絡を取るために会員登録を要するSNSのIDは、連絡先としては不十分とされていますので注意しましょう。

個人情報、プライバシーに関する問題が、容易に検索が可能なインターネットの普及により、以前と比べて随分とセンシティブなものとなった関係で、個人ベースの冊子となることが多い同人誌に関しては、住所や電話番号を記載する事に躊躇する人が増えているのも事実。購入した相手が善意の者だったとしても、そこから二次的に渡された人が悪意を持っていないとは断言できない。

一方で利用者が増え意思疎通のハードルが低いことから、ツイッターやPixivのIDを連絡先とするってパターンも増えているようだけれど、それのみではアウトというもの。その理由が「連絡を取るために会員登録を要するSNSのIDは、連絡先としては不十分とされています」。そうか、ツイッターもPixivも、閲覧だけなら(ロックをしていなければ)誰でも自由に閲覧できるけれど、連絡を取るとなるとアカウントの取得が必要になるのか。

先日の【「電子メールなんて持ってないよ、チェックしてないよ。FacebookかSMSで送って」という話】の話じゃないけれど、最近では電子メールのアドレスを持たない、使っていない人もいるから、電子メールも怪しい時代になっている感はあるのだけれど、やはり連絡を取る必要が所持ているサイドでは事実上保有しているって前提なんだろうな。あと、インターネットを利用しているのは当たり前、的な。

「メールアドレスかHPアドレス」との解説があるので、最低限それを表記すれば大よそ問題はないのだろうな。まあ、ブログなら無料で開設できる場所は山ほどあるし、そこにペラ1ページとサービス側が提供する問い合わせ用フォーム、そしてツイッターなりPixivの更新通達用ブログパーツを置くだけでもいいのではないかな、と。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年4月 2日 06:53に書いた記事です。

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