将来に向けた種まき...日産ダットサンベビー復元

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こどもの国によると、開園した1965年から73年まで、ダットサンベビーはアトラクションの一つだった。死亡事故が多発し、「交通戦争」と言われた時代。「子どもを事故から守るため、未来の運転者になる子どもに早くから交通教育を」との願いを込めてつくった。


車は2人乗りのオートマチック車。子どもは運転免許を持つ大人の運転で乗車するほか、「免許証」を取得すれば小学5年~中学3年は1人で運転できた。併設の「交通訓練センター」で交通法規や車の構造を学び、指導員の同乗でS字コースなどを走った後、専用コースを1周する「実技試験」を受ける。約4万5千人が免許を取った。


長期的な事業の維持のためには将来を見据えた人材の育成が欠かせない。それは単に事業を直接支える技術者、社員に限らず、その事業の顧客となる人達の啓蒙、育成にも該当する視点ではある。サッカーや野球の子供チーム、アマチュア競技に、該当するプロチームが積極的なバックアップをしているのも、要は子供のうちから親しみを覚えてもらい、将来につなげるため。......まぁ、あとは例えば某ファストフードで子供向けアイテムのセットを提供するのも、小さいうちから自社商品に慣れ親しんでもらうためってのも一因にあるってのは有名な話。

今件もそのような目的で創られた、ゴーカートみたいな、でも本格的な自動車。免許を取得したのは累計で4.5万人ほどというから、直接的な顧客創生分はその数に限定されるけれど、一緒に足を運んだ人、免許取得者の子供、実際には足を運べなかったけれど憧れを抱いた人など、システムの稼働そのものによる影響はその何倍にも及ぶ。何しろ「自動車って面白いやん?」という雰囲気を構成できる。

まぁ、このような啓蒙事業をしないと今の子供は大人になっても自動車は買わない、ということはないだろうけど、逆に買うようになる動機づけの種をまくことはできる。直接数字としては表れないけれど、確実に効果は期待できる。


元々コニー・グッピーという名前の軽商用自動車に手を加えた代物らしい。一周回ってかえってカッコよさを覚えるのは当方だけだろうか。直接の費用対効果はすぐには算出されないけれど、この類の種まき事業がどれだけあるか、継続しているかが、企業や業界の力強さにつながるんじゃないかな。

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このページは、不破雷蔵が2015年3月29日 07:20に書いた記事です。

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