マクドナルドで高齢者向けの健康配慮商品が登場するとの話

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 売り上げ減について、カサノバ社長は「コンビニなどの成長が背景にある」と説明。「15年後半に、高齢者向けで健康に配慮した商品を出す予定」と巻き返しを誓った。ただ、来店者数の回復度合いは「予想できない」とした。

先日行われたマクドナルドの株主総会での社長の発言。大よその話はすでに報じられているし、関連リリースにも伝えられている。昨年夏以降ダイナミック売り上げ減・客足減の現状の中で、どのような施策を今後打ち出していくのかが気になる所。先行記事の元トップの原田氏への報酬云々も、この時に語られた話。

一度構築された体制は、その規模が大きい程、変更が難しい。巨大な船は舵を切っても実際に方向転換するまでには時間がかかるし動きも鈍い。無理に急な舵をきれば、機関部や舵そのものが壊れてしまうかも。とはいえ、旧トップの作った牙城を精査し、現状に合わせて再構築するのにはあまりにも多くのリソースが必要になるし、現経営陣も(それなりに頑張ってはいるようだけれど)まだ必至さの点で今一つの感がある。特に人の要素の点で。あと、内部か外部コンサルかは分からないけれど、施策に関するアドバイザリーな人に、一部アレな感がある。

注目されたのは上記引用部分。今年の後期に「高齢者向けで健康に配慮した商品を出す予定」との話。マクドナルドの現状とは全く別ベクトルの話。かつて一時的に発売した【豆腐しんじょナゲット】でそのような戦略の可能性はあるとの示唆はしたけれど、マジでやるとは......。逆に考えると、従来商品は高齢者向けで健康に配慮したものではないということになり、高齢者はともかく健康に配慮しているとは言えないってしちゃうのはどうかな、と(記者による書き換えの可能性もあるけどね。要はモスのような、モア・ヘルシーという意味なんだろう)。

とはいえ。マクドナルドは前世紀の混迷期に、飲茶やカレーなど多様な、それこそファミレス的なメニューを展開した経歴がある。


現状で通年販売どころか期間限定メニューとしても存在していない以上、どのような経路をたどったのかは容易に想像ができるのだけれど。同じような道を歩むのかなあ、という危惧はある。


無料はともかくとして(汗)、基幹商品の根本的な見直しは必要じゃないかな。具体的指標・数量的なデータがないので検証できないのが残念だけれど、以前記事にしたように、長年のうちに期間メニューの品質が劣化したのではないかとする指摘は多い。短期間、一回一回の改定では気が付かなくても、少しずつ変質させていけば、それに反応する、気が付く人は少しずつ増えていく。客商売では売り手が誠意をどこに向けるかで、お客も足の向きを変える。原則的な話ではあるけれど、その原則論に立ち返るべきかもしれない。

......まあぶっちゃけ。高齢者向けメニューってのは、上手にこなせばうまくいくかも。マクドナルドの利点「多地域展開」と「デリバリーサービスの浸透」を組み合わせれば、ね。ドリンクメニューに健康色の強いお茶系も必要になるだろうなあ。

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このページは、不破雷蔵が2015年3月27日 07:37に書いた記事です。

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