「1945年の日本の平均寿命は男性23.5歳、女性32.0歳」という話

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本家サイトの記事の一つ、【日本の平均寿命の推移をグラフ化してみる】に関してリクエストがイレギュラー的に高まる時、そのうちの何割かの割合で、記事タイトルにある「1945年の日本の平均寿命は男性23.5歳、女性32.0歳」という話が出てくる。厚生労働省の簡易生命表のデータだから間違いない、こんなに平均寿命が短いのだから戦争が云々、だから集団的自衛権がかんぬん、沖縄の基地がフンダラという類のもの。相当話が飛躍して頭が痛いところではあるのだけれど、どうも一次ソースがはっきりとしない。簡易生命表は公式サイト上には1948年以降のものしかない。完全生命表は戦前にもあるけれど。

で、色々と調べた上で、どうも1948年以降の簡易生命表の前に、同様のものが存在したらしい。でも今は無い。無くなった理由は恐らく不確かなデータで公的なものには成り得ないとの判断だったかららしい......という辺りまで行き付いて。国会図書館に足を運ぶか、あるいは直接本家おおもとに問い合わせをするしかないなということで、厚生労働省の生命表担当に直接話を聞いたところ。

ツイートした本人だからベタ貼りしなくてもいいな、ということでテキスト抽出・編集。

戦中・戦後直後の日本人の寿命について。厚生労働省の生命表担当へ問い合わせをして確認したところ、一部資料にある通り、1945年・1946年に簡易生命表の類は一度作成されたものの、戦後の混乱期における乏しい一部資料から推計した人口・死亡者数を基にしたもので、資料性が無いため、現在では公値としての保存はしておらず、1948年以降の正式調査(簡易生命表)以降のもののみが公的データとのこと。完全生命表に基づいた値は戦前から存在するが、そちらは厳密な調査によるものなので公値として扱われている。

1)1945-1946年の簡易生命表・平均寿命データは過去にあったかもしれないが、不確かさの問題から現在では不適格な値としての認識。1948年以降の、現在でも参照できるものが公的データ。現在その値を呈するのは適切では無い 


2)平均寿命と平均余命は別物


となる。戦争が多数の犠牲者を出したのは事実で、それは人類にとって愚挙であることにも違いはない。同時に、それが不確かなデータで人を煽動することを正当化する理由にはならないのも事実。今件に関しては、厚生労働省に問い合わせれば答えは出たはず。一次ソースに当たる重要性を改めて認識した次第ではある。

......今後「1945年の平均寿命は×●歳だ、戦争は悲惨だ、だから云々」との話があれは「その値は不確かなので今では使えない」「戦中・戦後の医療衛生体制の劣悪さを考えれば、その影響も大きい。そこから今の環境を構築した先人の努力や医療技術に感謝し引き継がねば」と返せばいいのだろうな。

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このページは、不破雷蔵が2015年3月27日 07:59に書いた記事です。

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