コンビニへの食品納品期限が延長されるようです

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3分の1の期間を過ぎてしまった商品は賞味期限前であってもメーカーに返品され、廃棄処分されることが多い。今回は、これを賞味期限までの間の2分の1に延長する。

これは以前本家サイトで【食品納品期限を2/3から1/2に緩和実験、菓子と飲料の一部で8月から実施へ】として伝えた、納品におけるルールの改定に関する続報的な話。これまではお菓子や飲料などの食品について、生産元から卸売業者に渡ったあと、その卸売業者の中で在庫としてある程度眠ってから小売りに渡される際に、卸売業者の中で賞味期限が2/3を切ると小売りに渡せず生産元に返す・廃棄するなどの措置が取られていた。要は賞味期限がある程度過ぎてから小売りに渡すと、小売り側の展示期間が短くなって、商品価値が下がってしまうからって話。

それを今回の取り決めで、2/3から1/2にしようというもの。これにより卸売業者の時点で廃棄・返却リスクが低くなる......けれど、当然小売業者の手に届いた時点で残存賞味期限が減っている可能性が増えるので、その分小売業者側で安売りなり廃棄のリスクが高まる。

その辺のバランスはどうなのかなってことで、2013年から実証実験を行い、大よそロスの軽減に貢献するとの結果が出たので、今回コンビニ各社が本導入しようと決めたとの話。とはいえ、内部的な話ではあるし、協議会のサイトを見ても「始めるよ」的な公式リリースが無いので、こちらで覚え書き。

上の記事にコメントした内容は次の通り。

今件は2013年8月に経産省主導の下で「納品期限の見直しに関する実証事業」として試験的に実施され、2014年3月26日付で「「納品期限の見直しに関する実証事業の最終報告」が公表されました~食品ロス削減とサプライチェーン効率化に向けた企業間連携の取組~」という名前の報告書名で


・参加した8社のうち7社の物流センターで納品期限切れする商品の比率が減少、残り1社は期限切れ商品無し
・小売店では賞味期間120日以下の菓子を実証実験した1社で大幅廃棄増加、それ以外では増加無し。フードチェーン全体ではロス削減効果期待
・事業系の食品ロスの1.0%~1.4%に相当する規模の推定削減効果

などの結果が出たと報告されています。これを受け関係者と納品期限緩和に向けた検討を実施、今回の決定に至った次第です。また、コンビニに限らず実証実験に参加した製・配・販連携協議会の他の流通・小売り大手も追随するでしょう。


本家サイトでは実証実験開始の話は挙げたけど、検証終了の時点では気が付いていなかったのでスルーしちゃったんだよね。もったいない。

これにより業界全体としてのロスは減るだろうけれど、小売店側でロスが増える、廃棄なり値引きの商品が増える可能性はある。大勢に変化はないだろうれど、ね。コンビニも最近は値引きシールを貼る商品がちらほら出てきているので、「コンビニだから値引きは出来ない、だから全部即廃棄だ、モッタイナイ」ってことは無いと思うのだけれど。

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このページは、不破雷蔵が2015年3月25日 06:24に書いた記事です。

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