ネット、スマホの普及と一億総記者時代で失われた「旅の恥はかき捨て」観

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旅行先で「ハレ」と「ケ」で言えば「ハレ」の環境下におかれて気分が高揚し、ちょっとお茶目なことをしてしまう。ノリノリで行動してしまう心境を「まぁ、仕方ないよね」的な意味合いで「恥の旅はかき捨て」として弁護することがある。もっとも最近ではこれが悪用......と表現すればいいのだろうか、旅行先で傍若無人に振る舞うことを正当化する根拠として使われてしまう事の方が多い。「無礼講」という言い回しも似たような雰囲気。

この「旅の恥はかき捨て」の根拠の一つとして、「どの道旅先での話だし、来訪頻度はほとんとゼロに等しいし、不特定多数の中に埋もれて特定される事は無い」というのがある。そりゃ記録などがほとんどされない、そして残らない時代となれば、ね。

ところが今では各種情報が蓄積され、後々に至るまで検索されるようになった。無論情報そのものが多量に及ぶので言葉通り埋もれることはあるけれど。そしてその情報は多くの人が持つスマートフォンやデジタルカメラ・ビデオであっという間に高解像度の映像として保存され、散布される。一億総記者時代は、見方を変えれば監視社会化の到来でもある。


今件の話を思い至ったのは、実はこのツイートを目にしたから。パターンとしては十分あり得るし、漫画やドラマなどでも時折なされる描写ではあるけれど。このような形で事象が実在していることが確認できる時代。これはテキスト化で対象が特定されていないけれど、例えばスマートフォンなどで写真や動画を第三者が撮影し、披露されたらどうなるだろう。

あるいはデジタル化社会は、これまで以上に礼儀の正しさが求められるのかもしれない。表現を変えればプライベートとパブリックの区別をしっかりしよう、ということになるのだろうけれど。

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このページは、不破雷蔵が2015年3月25日 06:13に書いた記事です。

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