「真実」という言葉が今やアレなリトマス試験紙となってしまった件について

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元々「真実」って言葉には事実や普段知られている常識とは別の、奥深い真相とか本当に正しい物事という意味があったはず。しかし最近では「ジャーナリスト」「報道」「市民」という言葉がそれを濫用した人達の手によって随分と以前とは異なる印象を持たせる言葉に変移してしまったのと同様、奇妙な意味合いを持ち始めている、リトマス試験紙的なものとなっている感は強い。

「真実」には「事実」と比べ、一人一人の思惑によって変化する特性がある。例えばカラスが目の前にいるとして、そこにいる存在はカラスに違いないけれど、人によっては「可愛いカラス」になるし、トラウマを持つ人には「怖いカラス」となる。カラスそのものを知らない人には「黒い、カーカーと鳴く鳥」、さらには「なんか奇妙な生き物」と表現するかもしれない。その変容する部分を利用......まあ、悪用だな......し、自らの「真実」を「事実」と置き換えて伝える向きがある。「これが事件の真実だ!」って感じで自らの妄想を披露するみたいな。

で、昨今ではその類のものが増えて、メディアで「真実」を前面に押し立ててアピールしている場合、その多くがスットコ系だということに気が付いた。全部が全部ってわけではないのだけれど、試しにアマゾンで書籍検索をしたら、ものの見事に頭を抱えるようなラインアップが。これこそが真実だ! なんてことでオチをつけたら、それこそ禅問答になってしまうのでしないけれど(笑)。

そうか......新聞社が自らを「本当の事」「真実」と語るようになったのか。結構末期的な気がするなあ。新聞社全部がってわけではないのだけれど。わざわざ主張しなきゃならないほど、自分の語りに自信が無かったのかな。それとも「事実」というキーワードを使えないような事情でもあるのかな。カッコイイから? 多分そうなんだろうけどサ。

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このページは、不破雷蔵が2015年3月11日 06:13に書いた記事です。

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